【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第4節】運命の出逢い? ユリア、登場!
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分が着地するあたりに双子が立っていることに気づくと、思わず空中で『どいて〜!』と声を上げます。
しかし、風にあおられたのか、咄嗟にスカートを押さえようとしてバランスを失ったのか、女の子は空中で不意に体勢を崩してしまいました。
今、双子がその場から逃げると、女の子は背中から(下手をすれば、後頭部から)石畳の上に落ちてしまいます。それでも、『抑制結界』のせいで魔法はろくに使えません。
そこで、双子は両腕を伸ばし、二人がかりで女の子の体を物理的に受け止めました。
一方、あらかじめ着地用の逆噴射がプログラムされていたのでしょう。空中で女の子の足から離れたスケートボードは、自動姿勢制御で底面をまた下に向けると、その底面から少女の体重をも丸ごと持ち上げられるほどの勢いで火を噴き、あちらの壁の向こう側にまで一気に飛んで行ってしまいました。
それから、カナタとツバサは女の子の体をそっと地面に下ろしました。
一見して、年齢は二人と同じぐらいでしょうか。ごく淡い色合いの金髪に、鮮やかな群青の瞳。貴族としては比較的簡素な服装で、肩からは斜めにお出かけ用の小さな(いささか質素な外見の)バッグを下げています。
ツバサ「お嬢さん。お怪我はありませんでしたか?(ニッコリ)」
女の子「えっ? ……ああ。はい!」
カナタ「なんだって、また、あんな危ないコト、したのサ?」
女の子(周囲をきょろきょろと見ながら)「えっと、あの……わたし、追われているんです! 早く、わたしを連れてここから逃げてください!」
カナタ「はあァ?」
女の子「ボードも何処かへ飛んで行ってしまいました。自慢になりませんけど、わたし、走るの、あんまり速くないんです!」
カナタ《ええっと……何? この『自分の「お願い」は聞いてもらえて当たり前』みたいな喋り方は? 『平民は黙って貴族様の言うことを聞け』ってコト?(怒)》
ツバサ《いえ、特に傲慢な感じはしません。おそらくは、ただ単に『今は本当に切羽詰まっていて、心に余裕が無い』というだけのことなんだと思いますよ。……カナタ、ここはひとつ聞いてあげませんか?》
カナタ《……まあ、別にいいけどサ。他には手がかりも無いんだし……。》
ツバサ「解りました。それでは、お嬢さん。どちらへ逃げたいですか?」
女の子「えっ?!」(本当に助けてくれるの? と言わんばかりの意外そうな表情。)
ツバサ「と言っても、私たちも今日、田舎から初めてこの都に来たばかりなので、あまり具体的な地名を言われても解らないのですが」
女の子「あの! じゃあ……下町の南西区まで、お願いします!」
女の子はしきりに、自分が今、逃げ出して来た屋敷の方を気にしていましたが、双子もやがて、そちらから何やら慌ただし
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