【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第4節】運命の出逢い? ユリア、登場!
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」
ツバサ「ええ。多分、『抑制結界』の発生装置ですね。これほどの規模の結界を何日も張り続けるなんて、とても人間業じゃ無い、とは思っていましたが……なるほど、こういうカラクリでしたか」
カナタ「あれって、ロストロギアの類なのかな?」
ツバサ「さあ、どうでしょう? まあ、800年前の古代ベルカと実際に交流があったんですから、何が存在していても決して不思議ではありませんけどね。……で、これからどうします?」
カナタ「少し重苦しいだけで簡単に引いてたんじゃ、『高町』の名がすたるってモンじゃないの?(笑)」
ツバサ「まあ、12歳の頃の母様たちなら、間違っても、ここで引き返したりはしなかったでしょうね」
カナタ「じゃ、ボクらも負けずに行こうか」
「結界」と言うと、普通は(魔導師の全身を包む球形のバリアのように)その土地全体をすっぽりと包みこんでいるものなのですが、この「抑制結界」は(魔導師が「攻撃の来る方向」に張る、平面的なシールドのように)もっぱら上空からの攻撃に備えているだけで、横方向からは割と自由に出入りをすることができました。
「ミッド式魔法」の中では、まず見られないタイプの魔法です。双子が少し戸惑ったのも無理はないでしょう。
ともあれ、カナタとツバサはこうして、いよいよ王都ティレニアの〈中央区〉へと歩を進めたのでした。
しかしながら、これもまた軍事的な観点から考えた結果なのでしょうか。貴族の屋敷はみな、出入り口を街路の少し奥の方に設けていました。どの区画でも、大通りから直接に目にすることができるのは、無表情な白塗りの高い壁ばかりです。
しかも、双子はあれ以降、大通りの両脇にある歩道をどれだけ歩いても不思議と誰にも出くわしませんでした。4番目の環状道を過ぎても、馬車ひとつ通りません。
カナタ「……変だなあ。もしかして、今日って何か特別な日なの?」
ツバサ「下町の様子を見た限りでは、特にそうは見えませんでしたが……。この国の貴族階級には、毎日たっぷりと時間をかけて昼食を取る習慣でもあるんでしょうか?」
カナタ「あ〜、それはあるかもネ〜。そ〜か、時間帯が悪かったのか〜」
ツバサ「もしそうだとすると、私たちは急いで降りて来て、かえって損をしたのかも知れませんねえ……」
と、その時、大通りをはさんだ向こう側のお屋敷から、何やら悲鳴のような声がかすかに聞こえて来ました。
カナタとツバサは思わず駆け出し、車道を横切ってそちら側へ行こうとしたのですが、二人が中央分離帯の辺りまで来た時、正面の高い壁を大きく跳び越えて、宙にいきなり人影が現れます。
それは、何やら「エンジンのついたスケートボード」のようなモノに乗った女の子でした。女の子は、自
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