【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第3節】カナタとツバサ、潜入捜査開始。
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ザフィーラ《いいか、ツバサ。もし、本当にお前たちの手には負えない状況に陥ったら、迷わずこれを使え。どこにいようと、オレが必ず二分以内には駆けつけてやる。》
ツバサ《解りました。》
カナタ(役に戻って)「じゃあ、叔父さん。ちょっと行って来ま〜す」
双子は先程の街路に戻り、そのまま北へと駆けて行きました。
【実は、この頃、ミッドの聖王教会本部では、ヴィヴィオの身にとんでもない異変が起きていたのですが……もちろん、彼等はそれを知る由もありませんでした。この異変については、また第二部でやります。】
一方、ザフィーラはその路地を真っ直に抜けて、一旦、また先程の上下道に出ました。
しかし、そこを上って10番目の環状道に入り、左折して西へと(南西側の門の方へと)どんどん進んで行くと、やがて前方に一台の馬車を遠巻きに取り囲むような人集が見えて来ます。
よくよく見れば、その人集の中心にいるのは第二分隊の三人組でした。
ヴィータ《おう、ザフィーラか。丁度いいところに来た! こいつを何とかしてくれ!》
ザフィーラ《ヴィータか。一体何をやってるんだ?》
ヴィータ《知らねぇよ! はやてが抜けた分まで頑張ろうと動いてたら、いきなり貴族のオッサンに絡まれたんだ。平民が貴族の馬車の前を横切るのは無礼だ、とか何とか抜かしやがって。今はオルドメイが対応してるんだが、こいつじゃ、どうにも押しが弱い。……ったく、暴れちゃいけねぇってのは、ホントに面倒だぜ!》
ザフィーラ(少し考えてから)《いや。いいぞ、ヴィータ。少し暴れろ。》
ヴィータ《はあァ? 何言ってんだ、てめぇ! いい訳ねぇだろ! 後で、はやてに怒られるのはアタシなんだぞ! ……て言うか、お前、双子の御守はどうしたんだよ?》
ザフィーラ《ああ。主はやても先程、『このままではラチが明かないから、少し状況をかき乱した方が良いかも知れない』とは言っていた。それで、オレも今、双子を自由に泳がせているところだ。だから、お前たちも少しだけ暴れてみろ。》
ミカゲ《……ホントに良いのデスか?》
ザフィーラ《ああ。責任はオレが持つ。ただし、まだ変身やユニゾンはするなよ。騒ぎが大きくなりすぎるからな。それから、なるべく負傷者も出さないように気をつけろ。》
ヴィータ《解った! それで良いなら、話は早え!》
「グダグダ言ってんじゃねぇぞ、このチョビヒゲ野郎! 貴族様だか何だか知らねえが、黙って聞いてりゃいい気になりやがって!」
ヴィータは怒声を上げて素早く間合いを詰めると、馬車の轅を(つまり、馬たちの軛と馬車の車体とをつないでいる長い柄を)いきなり正拳の一撃で
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ