暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
 【第3節】カナタとツバサ、潜入捜査開始。
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ことです。
(おそらくは、「およそ16.2メートル」を基本単位とする「古代ベルカ式の単位系」が、今もそのまま使われているのでしょう。)
 車道の部分だけでも、その幅は10メートルもあり、「片側2車線」が可能な幅となっていました。しかし、実際には、周囲の石畳とはやや色調の異なる「中央分離帯」が大変に幅広く設定されており、その分離帯に踏み込んでしまう「内側の車線」は、あくまでも「非常用の追い越し車線」という扱いのようです。
 ちなみに、上下道の長さ(つまり、環状道から次の環状道までの距離)は、どれもおおよそ200メートルほどでした。環状道は、王都全体では11本もあるようです。


 ザフィーラとカナタとツバサが巨大な市門をくぐって見ると、正面には大きな「広場」が拡がっていました。
 外壁のすぐ内側は(ただ)ちに「11番目の環状道」となっており、その環状道の幅を除いても、広場の奥行きはほとんど65メートルもあります。
 また、広場の東側にも西側にも「上下道」が走っていましたが、その幅を除いても、広場の幅はその奥行きの二倍ほどありました。相当に広々とした空間であり、この区域における商業や文化の中心地となっている場所です。
 遠方の村々から今朝(けさ)一番の収穫物をはるばる運んで来た荷馬車の群れ。その積み荷を買い付けに来た小売りの商人たち。何やら警邏(けいら)中の魔導師たち。あれこれ話しながら散策する都市住民たち。
 そういったさまざまな人々が()()う広場を抜けて、三人はまず西側の上下道に入りました。「基本」は右側通行のようなので、取りあえず東側の歩道を王宮区に向かって北へと進んで行きます。

 しかし……どうやら、この王都における「大通り」というのは、本当にただ『通行するため』だけの空間のようで……このままでは、現地の住民と接触することもなかなか難しそうな感じでした。しかも、三〜四人組で警邏中の魔導師たちの姿を、やたらとよく見かけます。
 そこで、三人は一旦、右折して人気(ひとけ)の無い路地に入り、そこを抜けて、ものの試しに「上下道」に並行して南北に走る「歩行者専用の街路」に入ってみました。
 北に向かう石畳の道は、感覚的には「平坦」とほとんど区別がつかないほどの、ごくごく(ゆる)やかな上り坂になっています。本来の道幅は8メートルあまりもあるようですが、今は両側にずらりと屋台が並んでいるため、実際に人間が通行できる幅はその半分ほどになっており、時間的にもそろそろ混雑し始めていました。

 カナタ(役になりきって)「叔父さん。ボク、もうお(なか)()いたよー」
 ザフィーラ「そうだな。そろそろ正午(ひる)か」
 屋台のおばちゃん「ちょいと! そこ行くガタイの良いお兄さん!」
 ザフィーラ(……オレのことか?
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ