【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第2節】ローゼン上陸部隊の部隊編成。
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めに、総員、排泄行為は、その度に転送で艦に戻って来てから、艦内でするようにした方が良えやろう。……とは言うものの、実際には、転送の回数はなるべく減らしたい。総員、上陸の直前には、忘れずにトイレを済ませておくようにしてな」
はやての言葉を聞いて、女性の陸士たちは、あからさまに安堵の表情を浮かべました。
続けて、ツバサが同じ話題の質問をします。
「現地の文明が、基本的には『中世』の段階だということは……やはり、トイレ事情も相当に非衛生的なモノなのでしょうか?」
はやてがすでに『君たちは現地で排泄をする必要は無い』と明言しているのですから、実際には、ツバサの懸念もただ単に『アインハルトの身を案じて』のものだった訳ですが、はやてはそんなツバサの気持ちを察して丁寧に説明を加えました。
「実のところ、市内の路面が映り込んだ映像は、ひとつ残らず調べたんやが、路面には一切、汚物が無かった。これだけ馬車が行き交っとるんやから、普通やったら馬糞の一つや二つは映り込んどっても良えはずなんやけどな。要するに、誰かがこまめに掃除をしとるんよ。
また、路面には、人間の排泄物や吐瀉物はおろか、その痕跡すら見当たらんかった。おそらく……これは、中世段階の文明としては相当に珍しいコトなんやけど……現地の人々には公衆衛生に関して一定の知識があり、一般庶民にもかなりの程度までそうした知識が普及しとるんやろう。
そこから考えれば、普通のトイレの類も、あからさまに『便器の外まで糞尿まみれ』ということは無いんやろうと思うよ」
それを聞いて、ツバサもようやく安心します。
はやてはさらに続けて、いささか余談めいた事まで語り始めました。正面の大スクリーンには、王都とその周辺をはるか上空から(ほぼ王宮区の真上から)撮った映像が映し出されます。
「環状の森」の外縁は完全な円形で、その半径は4.5キロメートルをわずかに超えていました。森の奥行きは320メートルあまり、森の内縁から王都の外壁までは1600メートルあまりといったところでしょうか。
王都の外壁から森までの間に拡がるその領域は、もっぱら菜園として利用されており、監視の目から身を隠せるようなモノは一切ありません。
なお、その一帯は全体として、半径5キロメートル弱の「傾斜のごく緩やかな円錐形」の土地となっていました。都の中心にある王宮区はその円錐の頂点に位置しており、円錐それ自体は「環状の森」のもう少し外側にまで拡がっています。
そして、王都の北北西と南南東の二方向、土地がようやく平坦になった辺りには、それぞれに「巨
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