【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第1節】予定の急変と新世界への到着。
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は、野生の薔薇は「五弁花」を代表する花でした。)
そして、現地の人々は、何故か北側の三大陸にのみ居住していました。それらの大陸は三つとも、面積はミッドの「小振りな第一大陸」よりもさらに2割がた小さなものでしたが、地形はもう少し山地が多くなっています。
また、そうした山並みなどの地形に従って、それらの三大陸はそれぞれがごく自然に五つ、もしくは六つの国土に分割されていました。合わせて十七個の王国の間には、少なくとも今のところ、目立った争いごとは何も無いようです。
アウグスタ王国は、内海から真北に伸びた〈中央大陸〉の中西部にあり、王都ティレニアはその西岸部からだいぶ東へ奥まった場所にありました。その都は、役割の上でも、この世界における「中心的な都市」でしたが、地理的に言っても、この惑星における「人類世界」のほぼ中央部に位置しています。
その「人類世界」の総面積は、三つの大陸と周囲の島々を合わせても2000万平方キロメートルほどで、この惑星の総陸地面積の2割にも届きませんでした。総人口は、推定で2億人あまり。平均すれば、各王国とも1200万人前後と言ったところでしょうか。
さて、一行の上陸すべき場所は、もちろん、そのアウグスタ王国の王都ティレニア。つまり、アインハルト執務官が捕らえられている都市です。
その市域は完全な円形の外壁に囲まれており、その半径はほとんど2.6キロメートルに達していました。市域全体の面積は21平方キロメートルを超えており、おそらくは、常住人口も10万人どころではないでしょう。
市内にも郊外にも、貧民窟の類が全く見当たらないのは、ただそれだけでも、相当に良い政治が行なわれていることの証左です。
ただし、その王都の中央部(王宮を中心として、半径では市域の半分ほど、面積では市域全体の四分の一ほど)には、常に例の「抑制結界」が屋根のように低空に張られているため、上陸部隊をいきなりアインハルト執務官の目の前へ転送させることはできませんでした。
いや、そもそも彼女の居場所を正確に特定することも、彼女と直接に交信することも、今はその結界のせいで全くできなくなっているのです。
この状況をあくまでも非暴力的に(そして、現地住民をあまり刺激しないように)解決しようと思うと、やはり『部隊は一旦、王都の郊外に上陸して、そこからは徒歩で情報を収集しながら王宮区を目指す』という面倒な手法を取らざるを得ませんでした。
もし「暴力的な解決」でも構わないのであれば、力ずくで結界を破壊して王宮を丸ごと制圧することなど、管理局の技術力をもってすれば、いとも簡単なことなのですが……。
長い目で見れば、管理外世界を力で屈服させることには、メリットが無い……と言うよりも、それは「その世界の内部のパワ
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