【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第7章】アウグスタ王国の王都ティレニア。
【第1節】予定の急変と新世界への到着。
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入室し、そのまま長方形の内側に入り込んで各員への配膳を始めました。つまり、『厨房から食器や釜や大鍋を持ち込んで、こちらで盛り付けをする』という形式です。
それは、ほとんど「公立の初等科学校における給食」のようなノリでした。誰かがその点を指摘すると、何人かの陸士たちは懐かしさのあまり、口々に「自分が公立の初等科に通っていた頃の給食」に関する思い出話などを始めます。
双子やヴィクトーリアたちにとっては、あまりピンと来ない話題でしたが、それでも、広間はおおむね和やかな雰囲気に包まれました。
一方、リインが機械人形たちを閉じ込めるかのようにテーブルを素早く元の位置に戻してから、最後の四人はようやく着席しました。機械人形たちも、ひととおりの配膳が終わると、その場に膝をついて待機状態に入ります。
すると、アギトが不意に席を立ち、直立不動の姿勢を取って、一同に『総員、起立』と号令をかけました。
全員が席を立って直立不動の姿勢を取ると、じきに前方の入口の扉が開き、ヴィータとはやてとシグナムの三人がその順で入って来ました。アギトは一旦、脇に下がり、三人がそのままの順で奥に詰めてから、再び自分の立ち位置に戻ります。
そして、八神家を除く20名の男女は、誰からともなく全員で八神准将の側に向き直り、敬礼しました。すると、はやては軽く礼を返しながらも、ごく砕けた口調で総員にこんな言葉をかけます。
「ただの朝食会や。みんな、そんなに畏まらんでもええよ」
「おいおい。管理局の規定にある『本来の作法』に比べれば、これでもまだ随分と略式なんだぜ」
「多少の儀礼的な所作は、『組織として』どうしても必要でしょう」
「まあ、確かに、それもそうなんやろうけどなあ」
ヴィータとシグナムの言葉を笑って受け流しつつ、はやては席に着きました。
アギトの号令を待って他の26名も着席し、機械人形たちも膝をついたまま、六体で周囲の人間たち全員を視野に収めるような配置を取ります。
「さて、上陸計画の概要が決まったので、それを伝えるために、全員にこちらへ来てもらった訳やけど……。まあ、堅苦しい話は後回しにして、先に腹ごしらえと行こうか。みんな、機械人形と目を合わせて、軽く皿や椀を持ち上げて見せれば、そのおかわりが来るから、どんどん食べてな。……では、いただきます」
総員、見様見真似で、はやての「地球式の作法」に倣い、朝食会が始まりました。じきに陸士らは緊張を解き、談話室での食事と同じように、隣席の者たちとあれこれ語らいながら食事を進めていきます。
そして、しばらくすると、はやては不意に、自分からは最も遠い
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