第四十話 昔の忍者その三
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「ほんまな」
「そうなんですね」
「大阪を舞台した漫画もあるしな」
「何かと」
「それも嬉しいわ、ただな」
「ただ?」
「ヤクザモンとかはな」
少し苦笑いになって話した。
「変なイメージついてな」
「嫌ですか」
「どうもな」
「そういえばありますね」
夜空も確かにと頷いた、彼女も大阪を舞台としている作品を知っているのでそれでここで言うのだった。
「大阪を舞台としたヤクザものの漫画とか」
「あるやろ」
「昔の漫画でもあります」
「そやろ、そういうのはな」
「織田作さんとしてはですか」
「あまりな」
どうにもというのだ。
「ええ気持ちせんわ」
「そうなんですね」
「そら大阪もな」
「ヤクザ屋さんいますね」
「昔からな」
「織田作さんの頃も」
「その前からおったわ」
それこそというのだ。
「ずっと昔からな」
「そうでしたね」
「けれどな、ヤクザ屋さんはな」
この世界の者達はというのだ。
「表の世界やないやろ」
「アウトローですね」
「そやからな」
そうした世界の者達だからだというのだ。
「私の作風やとな」
「出ないですね」
「あくまで大阪のな」
「流れ流れる人達をですね」
「書いてきたけどな」
「ヤクザ屋さんは違いますね」
「どうもな」
織田は微妙な顔になって述べた。
「それで主人公になるのはな」
「好ましくないですね」
「どうもな」
こうも言うのだった。
「どうもな」
「そうですか」
「そやからな」
だからだというのだ。
「普通の漫画は好きやけどな」
「大阪を舞台とした」
「そやけどな」
「ヤクザ屋さんはですか」
「私の作風でもないしな」
このこともあってというのだ。
「好きやないわ」
「あくまで表の世界の人達ですね」
「だらしなくていい加減でもな」
そうした人達でもというのだ。
「決してや」
「裏の世界でなくて」
「何かとあっても最悪のことはや」
「行いは、ですね」
「してへんやろ」
「そうですね」
夜空はこれまで聞いてきた織田の作品を思い出しつつ答えた。
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