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ポケットモンスター対RPG
第26話:遅参勇者と焦る魔女D
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『偽一休』事件以来『偽』を口にして変なトラブルに遭いたくないからか、あからさまに口数が減ったフノクやとンレボウであったが、
「お?あの女、胸デカいねぇ♪」
「ちょ!?フノク殿!?」
結局、フノクの巨乳目当てのセクハラ行為は一向に治らなかった。
「おい、いい加減に行くぞ」
「どちらへ」
「ここから北東に向かうと廃塔が在るんだが、そこが魔王軍に乗っ取られたんだと」
「して、マドノ殿はその塔をどうする御心算で」
その後の言葉は、マドノ率いる勇者一行のお決まりのパターンであった。
「勿論、その塔にいるモンスターを全て倒して経験値を稼ぐ」
「つまり、いつも通りな訳ですね」
その時、フノクの目が鋭くなった事にマドノは全く気付いていなかった。

で、件の廃塔に到着し、いつも通りに中にいるモンスターを殲滅しようとするマドノ率いる勇者一行。
そこへ、
「おい。俺の出来の悪い部下が、随分お世話になったそうだな?」
どうやら、この女デビルがこの塔を支配したモンスター達を率いるボスモンスターの様であるが、マドノにとってはある意味不都合である。
「来るのがはえぇよ!」
女デビルは理解に苦しんだ。
「早い?敵の親玉を殺すチャンスが向こうからやって来たのにかい?ま、殺せればの話だけど」
だが、まだ経験値を稼ぎ足りないマドノにとっては有難迷惑だった。
「馬鹿野郎。俺達はまだ、上の階にいるモンスターを倒してねぇだろが」
女デビルはやはり理解不能だった。
「上の階の連中と戦ってからこの俺と戦う気かい?アンタらにとっては、そっちの方がアンタらの消耗が激しいんじゃないのかい?」
戦闘効率においても戦略効率においても女デビルの言い分の方が理に適っている。
が、マドノの目的的には戦闘を最小限抑えながら敵大将を倒す展開の方が不都合である。
「もし、万が一テメェが死んでもこの塔のモンスターが逃げないって言うのであればここで戦っても良いが、もしテメェが死んだ途端にこの塔にいるモンスター全てが逃げたら、俺達はこの塔に来た意味が無いんだよ」
相変わらず、女デビルはマドノの言ってる意味が解らなかった。
「……何しに来たんだい?この塔を奪還しに来たんじゃないのかい?」
女デビルの質問に対し、マドノは当然の如く答えた。
「違うよ」
「……は!?」
ただでさえ理解に苦しんでいる女デビルを更に理解不能に陥れた。
「違うぅー!?じゃあなんだよお前ぇー!?」
その質問に、マドノより先に答えたのはフノクであった。
「で、そこの魅力的な胸の娘!この塔に何か変わったアイテムは有るか?」
そんなフノクの質問に、女デビルはマドノ率いる勇者一行を助平なトレジャーハンターと勘違いした。
「さあぁねぇ。この俺を倒してからゆっくり探すんだね。ま、殺せればの話だけど」

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