第26話:遅参勇者と焦る魔女D
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が、マドノは怒って女デビルをこの場から殺さずに追い出そうとする。
「馬鹿野郎!なら、最上階にあるその変わったアイテムを大切に守ってろ!」
女デビルはやはりマドノの言い分の理解に苦しんだ。
「何でそんなにこの俺をこの塔の最上階に閉じ込めたい?ここでさっさとこの俺を倒して戦闘を最小限に抑えながらアイテム漁りすれば良いじゃない。それを何で―――」
マドノはつい怒って本音を口にしてしまう。
「そんな事をしたら、手に入る経験値が減るじゃないか!それくらい解れ!」
その時、フノクのマドノを視る目が怪しく光ったのだが、マドノは全く気付いていなかった。
一方、自分が最上階に追いやられた理由を聞いて呆れてしまう女デビル。
「……何それ……あんたはどれの味方なんだい……」
が、マドノは聞く耳持たない。
「いいから!さっさと最上階に戻れ!其処でお前と戦ってやるから!後日な」
で、結局、女デビルは最上階でマドノ達の到着を待たされたが、マドノがその女デビルを討伐したのはあの騒ぎの2週間後であった。
「そこそこ経験値を稼げたな。ノチのレベルも大分上がったしな」
それに対し、フノクはマドノに質問した。
「それより、あの塔の探索はあれだけで良かったのか?」
マドノはフノクの質問の意図が解らなかった。
「探索?そんなの意味有るの?」
マドノのこの言葉に、フノクは意味深な表情を浮かべたが、マドノは別段気にしなかった。
その日の夜、フノクはンレボウに自分の猜疑心について相談した。
「ンレボウよ、例の『偽一休』についてどう思う?」
「何を言っているのです!?『偽一休』の話はもうやめようって―――」
慌てるンレボウに対し、フノクは冷静に話を進める。
「静かに。マドノに訊かれたら色々と都合が悪い」
「だったらなおの事!」
だが、フノクは懐いてしまった疑念を我慢出来なかった。
「わしは、何を理由にマドノの事を『星空の勇者』と呼んでいる?」
ンレボウはその質問に意味を深読み出来ず、ただただ呆れるだけだった。
「そんなの決まっているでしょう。例の星空バッチをマドノ殿が身に着けている。それ以上の証拠が何処にありますか!」
ンレボウはそう断言したが、フノクはかえって疑念を強めてしまう。
「つまり、たったそれだけか?」
「それだけ……何を言っているのです?」
「わしらの使用している武器を視て視ろ……特にマドノのな」
ンレボウはフノクの主張に理解に苦しみつつも冷や汗を掻いた。
「私達の使っている武具は最高級品ばかりですが……それのどこが不都合だと言うのです……」
フノクは首を横に振った。
「もしかしたら……星空の勇者はその程度の武器では満足しないかもしれんのだ?」
フノクの疑問に、蒼褪めながら冷や汗を掻くンレボウ。
「満足していない?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ