第八十七部第三章 港の整備その七十
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「やはりな」
「自由はですね」
「それは知ることが出来ないですね」
「左様ですね」
「そうだった」
まさにというのだ。
「どうしてもな」
「寄宿学校で規則を叩き込まれた」
「それで、ですね」
「自由を知ることが出来た」
「その一面がありますね」
「特に私は貴族だ」
それも代々の名門貴族である、フランスでも屈指のだ。
「貴族ならばな」
「尚更ですね」
「大事なものがありますね」
「国と民を教え導く」
「そうした立場なので」
「だからだ」
それでというのだ。
「規則ばかりの寄宿学校に入りだ」
「そこで己を律する」
「規則を知ってですね」
「それを見に着けてですね」
「そうしてですね」
「そのうえで世に出ることもですね」
「大事だ、だから貴族ならばだ」
それも権門の子弟なら尚更というのだ。
「十代でそうした場所に入ってだ」
「そうしてですね」
「己を律することを覚える」
「それも重要ですね」
「将来のことを考えますと」
「そうも思う、貴族はな」
まさにというのだ。
「己を律しないとだ」
「貴族ではありませんね」
「例え家柄はそうでも」
「そうでなくては」
「真の意味で貴族ではない、貴族は血筋とだ」
それに加えてというのだ。
「心だ、その両方でだ」
「貴族となりますね」
「むしろ心が大事ですね」
「だからこそ功績を挙げれば平民も貴族になる」
「左様ですね」
「ネルソンもそうだった」
フランスにとっては歴史的な敵である彼もというのだ。
「我が国に海で勝ってだ」
「それで貴族になりましたね」
「戦死か貴族かと言い」
「貴族になりましたね」
「そうなった、心があり血筋がある」
こう言えの者達に話した。
「だがまずはな」
「心ですね」
「貴族に大事なのは」
「それですね」
「血筋は確かに重要だが何でもはじまりがある」
それがというのだ。
「家では開祖だな」
「その家のですね」
「我がカミュ家でもそうです」
「開祖の方がおられます」
「あの方が」
「初代のフランソワ様は当初は一介の平民であられた」
カミュ家がそこからはじまったことはこの家だけでなくエウロパの歴史にもある、そのことは確かである。
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