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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第135話『接敵』
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「はいはい、怖かったね〜。でも終夜君の言う通り、急いだ方が良いかも〜。犯人の目星だけでも付けないと〜」

「三浦の話だと、この学校にスパイがいるかもしれないってことだったんで、たぶん生徒や先生の誰か……」

「候補が多すぎるわよ!」

「じゃあ手分けして怪しい奴とっ捕まえるって感じでいい?」


原因が何かわからない以上、下手な真似はできない。しかし、それはあくまで時間に余裕がある場合のセオリー。これ以上の被害を望まないなら、速戦即決でカタをつけた方がいい。


「……そっすね。相手の実力も人数も不明ですけど、その案が一番手っ取り早いです。戦闘(バトル)になったら、他の生徒の安全を最優先に。勝てそうになければ、大人しく引いて作戦を立てましょう」

「おぉ、なんか頼もしくなったね、終夜」

「一応部長やらせてもらってたんでね。それじゃ、行きますよ」

「おー!」
「は〜い」
「オッケー」


このまま四人で行動しても良いが、戦力を最低限に絞るため二手に分かれることにした。



そして終夜と緋翼が、月と花織と別れたその瞬間だった。


「何だ!?」


景色の変化がわかりにくいが、背後が新たな鏡の壁に阻まれた。


「分断された……!」

「黒木! 来るよ!」


正面、鏡が地面から隆起し、氷筍ならぬ鏡筍による攻撃。
それを左右に躱してからその方を見ると、いつの間にか黒いフードを被った人物が立っていた。


「まさかそっちから来てくれるとはな……」

「あのフード……スサノオ? でも雨男ではなさそうね」


雨男と同じ風貌の人物。もはやスサノオのトレードマークと勝手に想定しているそのフードを見て、終夜達は気を引き締める。


「分かれた直後に分断たぁ、お前狙ってたな? どこから見てやがったストーカー」


挑発しながら終夜は黒雷を纏わせ、緋翼は刀を握る。


「黒木、魔術は──」

「わぁってるよ。"反射"がある以上、俺はほとんど役に立てねぇ。辻、任せたぞ」

「随分素直に任せてくれるのね。ま、悪い気はしないけど!」


鏡が魔術を反射することは既に知っている。ゆえに、魔術主体の終夜よりも剣術主体の緋翼の方が相性が良いだろう。このチーム分けにした時点で、この状況は想定済みだ。
戦闘(バトル)は緋翼に任せる。その代わり、終夜は敵の分析に努めるのだ。


「……っ!」

「当たらないわよ!」


連続で放たれる鏡筍を躱し、敵の目の前まで接近した緋翼は刀を振り上げる。
どんな魔術師かと警戒していたが、戦闘(バトル)の心得がなっていない。大技に隙が生まれやすいのは、基本中の基本である。


「取った!」

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