第六章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
「そうだけれどな」
「それにも文句を言わないことだな」
「そうだな」
「フロントのイエスマンと近いか?」
「かもな、普通はそんなの嫌だけれどな」
「監督としてはな」
「プライベートにも口出ししてくるけれどな」
巨人のフロントはというのだ。
「何かと」
「それでもな」
「そういうのにな」
「一切反論しないで」
そうであってというのだ。
「従う」
「そうじゃないといけないな」
「ここまで揃わないとな」
住友はサイダーを一口飲んでから言った。
「もうな」
「なれないな」
「巨人の監督はな」
「なり手限られるよな」
「絶対にな」
住友は確信を以て頷いた。
「封建主義もここまでいくとな」
「凄まじいな」
「そんなチーム嫌だな」
「全くだ」
冲田もその通りと頷いた。
「本当にな」
「それでもなりたい奴いるんだな」
「そりゃな」
冲田はそれこそと応えた。
「あそこは人気は今もあるからな」
「それでだな」
「そうだよ」
それ故にというのだ。
「あそこの監督にな」
「なりたいっていうか」
「巨人の選手がな」
「今もいるか」
「そうだよ、ただな」
それでもというのだ。
「なるとな」
「全国区の有名人だからな」
「そうなってやっぱり球界の盟主って自称してるだろ」
「今もな」
「盟主の監督だぞ」
その立場になるというのだ。
「だからな」
「それでなりたいな」
「なれるんだったらな」
「そうしたものなんだな」
「ああ、そうだよ」
「それで封建主義は残ってるんだな」
「今の日本にもな」
まさにというのだ。
「そうなんだよ」
「嫌な話だな」
「俺達から見てもな」
代々の江戸っ子としてもんじゃを食べながら忌々し気に言った、そうして食べて飲み終えると二人で店を出てだった。
東京ドームの方を見た、そして冲田は住友に言った。
「そういえばあそこ出来て何年だった?」
「もうちょっとしたら四十年だろ」
住友は何でもないといった顔で答えた。
「一九八八年だったな」
「ああ、本当にちょっとしたら四十年だな」
「日本で最初のドームって言われてな」
「出来た頃は持て囃されたな」
「それからもうちょっとしたら四十年だ」
「長いな」
「ああ、気付いたらそれだけ経っていてな」
そうしてというのだ。
「何かとな」
「オンボロだな」
「巨人そのままだな」
住友はこうも言った。
「持て囃されていて何時の間にかな」
「オンボロになってるな」
「封建主義だな、それでそのままな」
「化石になるな」
「ああ、本当にな」
それこそというのだ。
「巨人そのものだよ」
「あのドームもな」
「盟主だと思いあがっていて」
「気付けばポンコ
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ