第三章
[8]前話 [2]次話
「そうだったな」
「ああ、あれだけ貢献してもな」
「実際に作戦立ててもな」
「それでもな」
そうであったがというのだ。
「結局外様ってことでな」
「一線引かれててな」
「あそこはそうだ」
巨人はというのだ。
「ああしたチームだ」
「全くだ」
二人で忌々し気に話す、そして。
冲田は一呼吸置いてだ、住友に言った。
「特に監督だな」
「ああ、監督な」
住友もまさにと応えた。
「監督はな」
「巨人はな」
「もう絶対だな」
それこそというのだ。
「生え抜きでな」
「スター選手でないとな」
「監督にしないな」
「ああ、それから外れるなんてな」
「あれだろ」
住友は言った。
「藤本さん位か」
「最初の監督さんな」
「何時なんだ」
住友はこうも言った。
「それは」
「戦争前だぞ」
「俺達が生まれる前だな」
「誰が知ってるんだ」
「今時な」
「あそこ九十年って言ってたな」
「創設からな」
即ち九十年の間悪を為してきているのだ。
「そうでな」
「その九十年の間でな」
「生え抜きしかだよ」
「監督にしていないな、しかもな」
冲田は苦い顔で語った。
「スター選手しかだろ」
「監督にしないな」
「看板選手しかな」
「長嶋さんとか王さんとかな」
「藤田さんもそうだったしな」
「三原さん水原さんもで」
「川上の奴や堀内の奴もだ」
彼等もというのだ。
「元はな」
「生え抜きの看板選手だったな」
「若大将もだったしな」
「高橋の兄ちゃんもな」
「ああ、今の阿部君もだ」
「全員な」
住友はまさにと言った。
「生え抜きだからな」
「ある凄いな」
「民主主義だろ、日本は」
冲田に言った。
「そうだろ」
「だから巨人は違うんだろ」
これが冲田の返答だった。
「あそこは」
「封建主義か」
「ああ、だからな」
その為にというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ