暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
 【第8節】三日目の朝。コニィ、秘密の告白。
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たのではないでしょうか?」
「葛藤、ですか?」
「今までずっと信じて来た親族関係が、実はすべて虚構(フィクション)だったと、いきなり知らされた訳ですからね。おそらく、お嬢さんは、これまで『母親』や『上の姉』だと思っていた人たちと、これから改めてどう接して行けば良いのか、解らなくなってしまったのでしょう。そうした状況下で、『今しばらくは少し距離を取ろう』と考えたのだとしても、それはそれで無理も無いことだと思いますよ」
 ツバサは同年代の人間として、ウィスメアの行動にも深く理解を示す立場を取りました。カナタも同じ立場から、こう言葉を添えます。
「それでなくても、十代前半っていうのは、元々、親から少し距離を取りたがる『お年頃』ですからネ」

 すると、コニィは少し考えてから、ふとこんなことを言い出しました。
「では、もしかして、お二人も今、なのはさんやフェイトさんに対して、そういうお気持ちなんですか?」
「そうですね。ただ、私たちの場合は、年頃の問題だけでは無く、『あまり親の近くにいて「七光り」を浴び続けていたくはない』という気持ちもありました。それに……正直に言えば、私たちが最初の配属先としてベガティス地方を選択したのは、『親の勧め』もあってのことだったのです」
「ボクら、配属先は事実上の三択で、自分たちでも『さすがに、首都警邏隊は()めといた方が良いのかなあ?』とは思ってたんですけどネ。なのは母様(かあさま)からも、ちょっと遠回しに『地球にも「可愛い子には旅をさせよ」なんて(ことわざ)があるからね〜』とか言われちゃいまして」
「それでも、『アラミィ地方はさすがに遠すぎるかな?』と思い、二人でよく話し合った結果、ベガティス地方にしました」

 コニィは何度か小さくうなずいてから、もうひとつこんな質問をします。
「ところで、お二人とも、2歳の春から6歳の夏まで、なのはさんやフェイトさんからは遠く離れて暮らしていたんですよね? ミッドに戻って来た直後って、『親との距離感』とか、どんな感じだったんですか?」
「そうですね。私たちが地球で暮らしていた頃は、もっぱら祖父母が『育ての親』であって、母様(かあさま)たちは、あくまでも『たまに会いに来てくれる人』でしかありませんでした。そのため、私たちもミッドに戻って来たばかりの頃には、『どこまで母親に甘えて良いのか?』がよく解らずに、内心では随分と困り果てていたものですよ」
「それで、しばらく兄様(にいさま)にばかり(なつ)いていたら、フェイト母様(かあさま)が少し()ねちゃったんだよネ。(苦笑)」
「そうですか。フェイトさんほどの(かた)でも、やっぱり、そうなんですね……」
 そんな話まで聞かされてしまっては、コニィとしても、もう自分の境遇に納得するより(ほか)にはありません
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