【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第8節】三日目の朝。コニィ、秘密の告白。
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と同い年だったので、まるで彼の『双子の妹』のように育てられました」
つまり、コニィは昨晩、『自分も含めて六人姉弟』と答えましたが、実際には、彼女の母親が産んだ子供は『彼女も含めて五人だけ』だったのです。
「私は仕事の合間を縫って、ウィスメアにもしばしば会っていたのですが、それもあくまで『長姉として』でした。彼女は、幸いにも外見的には私よりも私の母の方によく似ており、それだけに、私の母を自分の母と信じて疑うことも無く育ち、86年の夏に、母が末子メイリィを産むと、彼女は『自分にも妹ができた』と大はしゃぎで……。幸い、メイリィも彼女にはとてもよく懐き、彼女は7歳になった時にも『妹と離れるのが嫌だから』というだけの理由で、家庭での「通信教育」を選択したほどでした。
そして、彼女は3年で初等科の課程をすべて修了し、10歳の春には中等科の課程に進みました。その際に、母から『そろそろ彼女にも真実を伝えてはどうか?』と言われ、私は一大決心をして、その提案に従ったのですが……」
コニィもここまでは割と冷静な口調で話を進めて来たのですが、ここで不意に、彼女は悲しみと憤りの籠もった口調で、こう続けました。
「それなのに、あの子ったら、私と母から真実を聞かされて、開口一番、何て言ったと思いますか?!」
《いや……。そんな難しいコト、いきなり訊かれても……。》
「そうですねえ……。普通に考えれば、『じゃあ、姉さんがホントは私のお母さんだったの?』とか、『じゃあ、お母さんって、ホントは私のお祖母ちゃんだったの?』とかいったところでしょうか?」
ツバサの口調はいささか自信の無さそうなものでしたが、それでも、コニィは激しくうなずいて答えました。
「そうですよね! 普通は、そうですよね! それなのに、あの子ったら、いきなり『じゃあ、メイリィって、本当は私の妹じゃなくて、叔母さんだったの?』って言ったんですよ。……そうじゃないだろう! と。……いや。事実関係としては間違ってないけど、ポイントはそこじゃないだろう! と」
コニィは悲しみと憤りのあまり、衝動的にドンドンと右の踵を床に叩きつけます。
「要するに、コニィはとても重大な決心をして『本当は自分が母親だ』と告白したのに、予想に反して、実の娘からこれっぽっちも甘えてもらえなかったから、少しばかり拗ねているのよ」
そんなヴィクトーリアの言葉には、コニィもすかさず強い不満の声を上げました。
「お嬢様! その言い方は、あまりに身も蓋も無さすぎるんじゃありませんか?」
「でも、あなただって、私に向かって、よく身も蓋も無い言い方をするわよね?」
ヴィクトーリアは『だから、これでお相子よ』と
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