【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第8節】三日目の朝。コニィ、秘密の告白。
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「はい。古代ベルカであれば15歳でもう結婚できるのですが、ミッドの法律では古来、『結婚は17歳から』ということになっていますからね。継父は、年が明けて母が17歳になるのをただじっと待っていてくれたのです」
《健康体は、お母さん譲りだったか……。》
《体質だけではなく、境遇まで母子で少しばかり似てしまったようですねえ……。》
コニィは続けて、こう語りました。
「そして、二人の結婚から15年後、新暦82年の春、私の出産よりも半年ほど前に、母は32歳でまた第四子を産んでいました。これが、私から見ると『下の異父弟』となるラウディなのですが……。当時は、私もまだ16歳で、乳の出もあまり良くは無かったので、結局は、母に乳母を頼むこととなり、私の娘ウィスメアは『実際には自分の叔父に当たるラウディ』を乳兄弟として育つことになりました。
一方、お嬢様はIMCSを卒業した後に、八神司令からの勧めもあって、82年の春から空士訓練校に進んでおられました。もちろん、訓練校の寮にまで従者や侍女が付いて行く訳には行かないので、エドガーも私もしばらくお暇をいただいていたのですが、お嬢様は半年で早々と訓練校を卒業され、10月には執務官補佐『第一種・甲類』の試験にも合格されました」
自分の話題が出たところで、ヴィクトーリアは少しだけこんな説明を差し挟みます。
「それで、翌83年の4月から、私はラウさんの補佐官を務めることが決まったのだけれど、その時点で、私はすでに『補佐官は一年で卒業して、84年には執務官になる』というつもりでいたから、二人にも『84年の4月には、私の固有戦力として管理局に入局してほしい』と伝えたのよ」
「補佐官の身分では、まだ従者や侍女を侍らせる訳にも行きませんからね。こうして、私は83年度の末までお暇をいただいた形となった訳ですが、実際には、娘の世話は生後6か月ほどで切り上げ、あとは母親に丸投げしました。母には『こんなところまで私に似る必要なんて無かったのに』と真顔で泣かれてしまいましたが、済んでしまったことは、もう仕方がありません。
幸いにも、継父が母の願いを聞き入れ、ウィスメアを養女として認めてくれたので、私にはもう自分の娘の将来を案ずる必要など無くなりました。そこで、私は83年の春から体を鍛え直して、その年の秋には、エドガーとともに嘱託魔導士の資格で『陸戦Aランク』を取得し……84年の春には、お嬢様の指示どおりに管理局に入って、その年の秋には改めて執務官補佐『第一種・乙類』の資格を取りました。
そういった次第で、私は85年の春から早や10年間、こうしてお嬢様の補佐官を務め続けているのです。……その一方で、ウィスメアはラウディ
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