【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第8節】三日目の朝。コニィ、秘密の告白。
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『81年の12月に、現地で「イイ男」を見つけて「一夜限りの肉体関係」を持ち、互いに連絡先も教えずに別れたが、翌年の3月末になって、ようやく自分が妊娠していることに気がついた』という話でした。
これには、カナタとツバサもさすがに驚きましたが、そこで、ツバサはふとこんな疑問の声を上げます。
「妊娠というのは、自分でもそんなに長い間、気がつかないものなんですか?」
「あの頃は、お嬢様の進路の問題とかもあって、バタバタしていましたからねえ。それに……普通は、初体験でいきなり出来ちゃうなんて、考えないじゃないですか」
《いや。その可能性と言うか……危険性ぐらいは考えましょうヨ。》
「それで、その子供は一体どうされたんですか?」
「罪も無い子を、意味も無く死なせる訳には行きませんからねえ。幸いにも、私は体格と健康には『人並み外れて』恵まれていましたから、普通に産みましたよ。16歳で」
《ええ……。16歳で出産って……。》
「え……。もしかして、その件は、お相手の男性には?」
「もちろん、知らせていません。そもそも、連絡先など解りませんし……。いや、本気で探せば探し出せないことも無かったんでしょうけど、あの時はお互いに『遊び』と割り切っていましたし……。それに何より、相手は明らかに妻子持ちの男性でしたから」
《それ、絶対にダメなヤツじゃん!》
《まあ、完全に「一夜限り」と割り切っていたのなら、『その方が「後腐れ」が無くて良い』という考え方も、合理的と言えば、確かに合理的なんでしょうねえ。》
《いや。単なる合理性よりも、もっと大切なモノって、あるんじゃないの?》
《念のために言っておきますが、私だって、別にコニィさんの「はしゃぎ方」を積極的に支持している訳ではありませんよ?》
《いや……ごめん。それは、もちろん、解ってるんだけどサ……。》
カナタとツバサは母親たちの影響もあって、性的な面に関してはとても潔癖な考え方の持ち主です。そんな二人にとって、コニィの行動には理解が及ばない点もありましたが、それでも、ツバサはふと心配そうな声を上げました。
「しかし、16歳で『母親』を勤め上げるというのは、相当に大変なコトだったんじゃありませんか?」
「そうですね。自分でも、もしワンオペだったら、精神が擦り減って倒れていただろうと思います。ただ……実は、私の母も、16歳で私を産んでいるのですが……」
《ええ……。》
カナタは、コニィの話にもう驚かされっぱなしです。
一方、ツバサは昨日のコニィの話を思い起こして、またひとつ大切なコトに気がつきました。
「あ……。それでは、『コニィさんのお父さんが亡くなってから、コニィさんのお母さんが現在の配偶者と入籍するまで一年かかった』というのは、もしかして?」
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