【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第8節】三日目の朝。コニィ、秘密の告白。
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応えます。
「そうなんですよ。せっかく待ち構えていたのに、夜這いをかけてもらえなかったので、はしたなくも、こちらから押しかけてしまいました。……もしかして、私はカナタさんから『ノーラさんほどには抱き心地が良くない女だ』と思われてしまっているのでしょうか?」
後半は、カナタの耳許に向けてそっと囁きかけた言葉でした。何やら妙に悲しげな口調です。
「いや! 抱き心地も何も……ボクは昨日も今日も、一方的に抱きしめられてる側なんですけど!」
そこまで言ってしまってから、カナタはふと、向こうのベッドの上の段に寝ていたヴィクトーリアも、すでに目を覚まして静かにこちらを見つめていることに気がつきました。こちらは、妙に生温かい眼差しです。
「ヴィクターさん! 静観してないで、助けてくださいヨ! ボクは今、あなたの侍女から妙な絡まれ方をしてるんですけど!」
すると、ヴィクトーリアは少し困ったような表情で、こう応えました。
「ああ。ごめんなさいね、カナタ。今までずっと隠していたけど、実を言うと、コニィは元々、『12歳ぐらいのカワイイ女の子を見ると、衝動的に抱きつきたくなってしまう』という特殊な性癖の持ち主なのよ」
(ええ……。)
「待ってください、お嬢様。それだと、まるで私が変態か何かのような言い方に聞こえてしまうんですけど」
(ここまでしておいて、今さら『そうじゃない』とでも言うつもりなのかよ!)
カナタは思わず、声にも念話にも出さずに、心の中で叫んでしまいます。
「でも、コニィ。それが『生まれつきの性癖』では無いことを説明しようと思うと、あなたの大切な秘密をひとつ、打ち明けざるを得なくなってしまうわよ?」
ヴィクトーリアは『あなた、それでもいいの?』と言わんばかりの口調でそう問いかけました。すると、コニィはカナタの体を抱き枕のように抱きしめたまま、たっぷり3秒ほど悩んでから、不意に「覚悟の決まった口調」でこう答えます。
「そうですね。この際ですから、カナタさんとツバサさんにだけはお教えしておきましょう。ただし、他の方々には……今この艦にいる皆さんばかりではなく、ミッドの御家族や御友人なども含めて……決して誰にも話さないでくださいね」
「解りました。カナタも私も、秘密は必ず守るとお約束します」
ツバサは、取りあえずカナタの気持ちは無視して、そう応えました。
《ええ……。どうして、そこでボクの意見まで勝手に代弁しちゃうのサ?》
《でも、ここまで来たら、もう『そんな秘密は守れそうにないので、自分たちには話さないでください』なんて、とても言えないでしょう?》
《いや……。まあ、「話の流れ」としては、確かにそうかも知れないけ
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