暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
 【第7節】各人の兄弟姉妹に関する雑談。
[1/10]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

 さて、18時から談話室で夕食を取っている間にも、一同はテーブルごとにいろいろな雑談をしていた訳ですが……その最中(さなか)に、中央のテーブルにいたフェルノッドが向かいの席のザフィーラに突然こう問いかけました。
「ところで、ザフィーラさん。自分は先程の『エドガーさんには、すでに妻も子供もいる』という話を聞いて、ふと思ったのですが……ひとつお訊きしてもよろしいですか?」
 左右のテーブルでも、何名かの男女が思わず聞き耳を立てます。
 そして、ザフィーラが(口の中にはまだ食べ物が入っていたので)無言のまま軽くうなずくと、フェルノッドはいきなりこんなバカなコトを言い出しました。
「八神家には、随分と小柄な(かた)が三人もいらっしゃるようですが、あの人たちは、ザフィーラさんか誰かのお子さんなんですか?」

 ザフィーラは危うく吹き出しそうになりましたが、それをグッとこらえて素早くコップの水を飲み、口の中の物を無理矢理に胃袋の中へと流し込みます。
 そして、他のテーブルの者たちも(ひそ)かに聞き耳を立てていると知った上で、ザフィーラはその頓珍漢(とんちんかん)な質問にも(つと)めて冷静に、よく通る声でこう答えました。
「いや。あの三人は、ああ見えて、いずれも成人で、局での階級もすでに尉官だ。八神家の各人の年齢や血縁関係に関しては、特秘事項も(から)んで来るので、基本的にはノーコメントなんだが、オレ自身の話としては、『(あるじ)』や『命を預けられる仲間たち』はいても、『妻子』や『血のつながった親兄弟など』は一人もいない。だから、血筋という意味では、オレは天涯孤独の身の上だ、とだけ言っておこう」
 ザフィーラ自身は『まあ、これぐらいの情報ならば、公開しても別に構わないだろう』という考えのようです。


 そして、夕食後の会話は、今夜もまた現地語の練習となりました。
「あまり専門用語を使わずに済み、かつ、誰もが普通に発言できるような話題ということで、今夜はまず各人の兄弟姉妹の話でもしてみようか?」
 ザフィーラの提案に、全員が賛同します。
 それを確認すると、ザフィーラは軽く右手を()げながら、随分と流暢(りゅうちょう)なローゼン首都標準語でこう言って、皆々に発言を(うなが)しました。
「では、オレ以外で、血のつながった兄弟姉妹の一人もいない者はいるか? 自己紹介と言ってしまうと今さらな気もするが、多少は自分自身の話も(まじ)えて構わないぞ」
(以下、肉声の言葉はすべて、ローゼン首都標準語となります。)

 それに(こた)えて手を()げたのは、割と愉快な性格をした18歳の凸凹(でこぼこ)コンビ、やや背の高い「細マッチョ体型」のワグディスと、それとは対照的な「豆タンク体型」のレムノルドでした。
 他には誰も手
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ