【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第7節】各人の兄弟姉妹に関する雑談。
[10/10]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
実際には、コニィは当初、ヴィクトーリアにではなく、その「上の弟」に仕えるはずだったのですが、彼女もそこまで詳しい内情は語りませんでした。
「ちなみに、乳母と言っても、決して身分の低い女性という訳ではありません。今でもなお、ベルカ系の人々の間で乳母の身分が相当に高いのは、古代ベルカの『乳は血に準ずる』という考え方に由来するものですが、ちょうど私が生まれる半年あまり前に『私の母の実兄の妻』が長女ブルーナを産んだところだったので、母はその『義理の姉』に頭を下げて、私をドスタル家に預けたのです。そのため、私は6歳の夏になるまで、実際には『母方の従姉』であるブルーナを実の姉のように思って育ちました」
「え? ちょっと待ってください。……もしかして、そのブルーナというのは……」
「はい。先程お話しした、私の妻です」
ゼルフィの質問に、エドガーはあっさりとそう答えます。
「ええっと……すいません。何だか、全体的な人間関係が今イチ把握できないんですけど……」
「そうですね。コニィとブルーナはイトコ同士で、ヴィクトーリアお嬢様から見ると、この二人はともにハトコで、また、私から見ると、三人とも揃ってマタハトコということになります」
《出ました! マタハトコ!(笑)》
《カナタ。茶化すのは、やめなさい。》
どうやら、カナタは、普段はあまり耳にする機会の無い「その親族用語」が妙に気に入ってしまったようです。
一方、エドガーの説明は(彼にしては珍しく)あまり解りやすい説明にはなっていなかったため、ゼルフィは引き続き、心の中で頭を抱えることになってしまったのでした。
その後も、一同はしばらく雑談形式で現地語の練習を続けていたのですが、20時半には一旦、その練習は終了となりました。
総員ともに現地語での会話はかなり上達し、思念と発声の間のタイムラグももうそれほど目立たないようになっています。これならば、おそらく、現地の人々と実際に会話をしても、あまり『ぎこちない』という感じにはならずに済むことでしょう。
カナタとツバサは真っ先に談話室から退室して、まずは手荷物を隣の(ヴィクトーリアとコニィの)部屋に移すと、昨日と同じようにシャワーを浴びてから、改めてその部屋に入りました。昨夜はマチュレアとフォデッサが寝ていたベッドで、21時前には早々と眠りに就き、そのまま朝まで熟睡します。
なお、ヴィクトーリアとコニィがその部屋に戻って、静かに自分たちのベッドに入ったのは、22時を少し過ぎてからのこととなりました。
(当然ながら、ヴィクトーリアが上の段を、コニィは下の段を使っています。)
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ