【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第7節】各人の兄弟姉妹に関する雑談。
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、実際に調べてみると、当然ながら「ただの一般人」にそこまでドラマチックな背景は用意されていませんでした。本当に、単なる「偶然の一致」だったのです。
なお、マチュレアの父親もフォデッサの父親も「稼ぎの悪い、飲んだくれ」で、マチュレアの母親もフォデッサの母親も『あの夫には、この私がついていてあげないとダメなのよ!』と本気で思っている「共依存、丸出し」の女性でした。
四人ともただ人格的に歪んでしまっているだけで、決して根は悪人ではないだけに、なおさら始末に負えません。本人たちはあれで幸福なのかも知れませんが、まったくもって、子供たちにとっては「いい迷惑」です。
マチュレアは最後に、孤児院出身の二人組に向かってこう述べました。
「だから、親なんて、『ただ居さえすれば、必ず、居ないよりはマシだ』と決まってるモンじゃないからね。絶縁が必要になるほどの毒親じゃなくても、居ない方が良い親なんて、いくらだっているんだからね」
『だから何なのか』については、マチュレアは一言も述べませんでしたが、その隣では、フォデッサが『うんうん』と、しきりにうなずいていました。
もしかすると、随分と「言葉足らず」ではありますが、親の居ない二人を何かしら元気づけようとしていたのかも知れません。
次は、カナタとツバサを除けば最年少者となる、17歳コンビのドゥスカンとサティムロです。
二人は、ともに一人だけ妹がいました。その上、『母親同士が姉妹で、(つまり、本人同士は従兄弟で)さらに、父親同士が同じ会社の同僚』という、なかなかに密接な間柄です。
なお、その会社は、トゥヴァリエ地方の土地開発業者でした。
「トゥヴァリエの東部には自然保護区も多く、また、70年代の末までは、現地では割と有名な『トゥルーウィッチ』の一族が、先祖代々その土地に住みついていたので、会社もその一帯の土地には下手に手を出すことができなかったのですが、その一族の転居を機に、80年代になってから、ようやく開発が進んだのだそうです」
【カナタやツバサには知る由もありませんでしたが、彼が言っているのはクロゼルグの一族のことでした。】
それに続けて、サティムロが「いささかオタクっぽい早口」で次のようにまくし立てました。
「ミッド中央を斜めに横断する『新たな幹線レールウェイ』の工事は、もう何年も前から続いていましたが、来年の初めには、ついに全線が開通する予定です。
『東の大海廊に面したリガーテ地方の港湾都市から、ザスカーラ地方やトゥヴァリエ地方を経由して、ヴァゼルガム地方の南東部から『北の大運河』の下を大きくくぐって首都圏地方の北西部をかすめ、さらにフォルガネア地方やメブレムザ地方を経由して、西の大海廊(だいかいろ
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