【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第7節】各人の兄弟姉妹に関する雑談。
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を譲ります。
そこで、ジョスカナルザードはひとつ咳払いをしてから語り出しました。
「オレは四人兄妹の長兄で、妹が二人と弟が一人いる。ウチは代々、漁師の家系で、オレも親父の後を継ごうと、一度は漁船の船長の資格まで取ったりもしたんだが、今時は漁師もなかなか儲からない商売でなあ。管理局員の方が稼ぎも良さそうだったから、オレは親父の勧めもあって局員に転職したのさ」
「え? ちょっと待って! その船長資格って、何歳から取れる資格なんですか?」
ゼルフィの疑問も、もっともです。
「一定の操舵経験さえあれば、試験の内容そのものはそれほど難しくも無いんだが、受験資格が『18歳以上』ってコトになってるからな。オレはいろいろあって、1年遅れの19歳になってからその資格を取ったんだよ」
「え? じゃ、一体何歳の時、局員に? 年数の計算が微妙に合わないような気がするんですけど?」
ゼルフィは、引き続き驚きの声を上げました。
陸士を「普通に」やっていれば、いくら順調に昇進を続けたとしても、2年目で二等陸士、4年目で一等陸士、6年目でようやく陸曹のはずなのです。
「オレは二十歳の春に、遅ればせながら訓練校に入った。周囲は年下ばかりだったから、変な苦労も一杯させられたけどな。正式に局員になったのは21歳の時だから、今年でまだ5年目だ。つまり、勤続年数に関しては君たちともさほど変わりが無い。ただ、オレは3年目の秋には捜査官試験に受かって、昨年から現地で捜査官をやっているから『その資格で陸曹待遇になっている』というだけのことなんだよ」
「え〜。本業が捜査官とか、初めて聞いたんですけど〜」
ノーラが『もう随分と親しくなったつもりだったのに〜』とばかりに、いささか不満げな声を上げました。
「ああ、ごめんな。同室の三人には、昨日のうちにここら辺の話もしておいたんだが、そのせいで、なんかもう全員に話したようなつもりになってたわ」
ジョスカナルザードは、ごく軽い口調でノーラに一言、そんな詫びの言葉を入れました。
次は、マチュレアとフォデッサの番です。
実のところ、この二人は家族構成も家庭環境も本当によく似ていました。二人はともに長姉で、三歳下の弟と七歳下の弟と十歳下の妹がいます。
「故郷が田舎で、実家が貧乏」というだけでも、もう共通点としては充分なのに、驚くなかれ、父親と母親の年齢まで一致していました。
お互いに『とても他人とは思えなかった』のも無理はありません。
中等科の頃には、二人して『あの父親たちは、実は「生き別れになった双子の兄弟」か何かで、あの母親たちも、実は「生き別れになった双子の姉妹」か何かではないのか?』と、本気で疑ったこともあるぐらいです。
しかし
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