【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第7節】各人の兄弟姉妹に関する雑談。
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聞いたことがある!』という顔をしました。
「実際、それは『歴史に残るレベル』の大事故で、一度に百人以上もの乗客が死亡したのですが、その中には、ドルガン家の老当主とその奥方も含まれていました。
それで、後日、養母と養祖母からいきなり『お前も葬儀に出席しなさい』と言われた時には、自分も7歳児なりに『どうして「使用人の息子」風情が「お屋敷の大旦那様と大奥様」の葬儀になど参列を許されるのだろうか?』と不思議に思ったのですが……その際に初めて、自分がドルガン家の人間であることを知らされたのです。
今ならば、実母の側にも『四人目の子を流産して以来、自分の子供はもう三人だけなのだと思い決めていたから』とか、『思いがけず五人目を孕んで以来、ずっと体の調子が悪かったから』とか、いろいろと『仕方の無い理由』があったのだろうと理解することもできますが……7歳の時には、『要するに、旦那様と奥様にとって、僕は要らない子供だったんですね』という程度のことしか理解できませんでした」
《うわあ……。ちょっと「自分語り」が重すぎるんだけど……。》
《私だって、ここまで重い話が返って来るなんて、思ってもいませんでしたよ!》
カナタとツバサは、バラムの話にちょっと引いてしまっています。
すると、気配でそれを覚ったのか、バラムはそこで不意に苦笑しつつ、自分の話を打ち切りました。
「そういう訳で、自分はそれ以降も、それまでどおり『三人での生活』を続け、叔母と同じ苗字を名乗り続けていたのですが、高等科と訓練校を卒業して管理局に入った時点で、いろいろあって、実の両親と同じ苗字を名乗ることになりました。……まあ、一人で長話をするのも良くないので、自分の話はこれぐらいにしておきましょう」
バラムに促されて、次は、年齢順にジェレミス(22歳)の番となりました。見るからに筋骨隆々とした、色白の美男子です。
「私には、陸曹のようなドラマは何も無いんですが……私は『男ばかり三人兄弟』の末っ子です。兄たちからイジメなど受けないようにと体を鍛えているうちに、こんな体格になってしまいました」
「ああ! それなら、僕とまるっきり同じ境遇なんですね!」
ディナウドは隣の席で、思わず喜びの声を上げました。どうやら、今まで周囲に似たような家庭環境の同僚が全くいなかったようです。
「じゃあ、君も、男ばかり三人兄弟の末っ子なのか?」
「ええ。兄たちからは少しばかりイジメられて育ちました。(苦笑)」
「なるほど、道理で君とは話をしていて妙に波長が合う訳だ」
二人はそう言って、自分たちの話をさらりと流し、ノーラに順を譲りました。どうやら、バラムの後では、特に語るほどの事柄も見当たらなかったようです。
ノーラは『自分の
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