【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第6節】ヴィクトーリアの思惑とIMCSの話題。
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則負けになり、さらには後日、出場禁止処分を言い渡されました。
出場禁止は一年だけでしたが……何と言うか、その一件で一気にやる気が失せてしまい……当時、私のコーチを務めてくれていた叔母の了解を得て、そのまま止めてしまいました」
「私の記憶では……確か、当時はお名前が違っていたような……」
コニィはようやくその事件の詳細を思い出したようです。
バラムは思わず、感心した声を上げました。
「よく御存知ですね! そのとおりです。いろいろと事情があって、私は当時、バラム・ブロムディスと名乗っていました。ブロムディスは、母方の苗字と言うか……私の育ての親でもある叔母の苗字です」
「それは、コーチの方と、同一人物なんですか?」
「はい。母方叔母のセディーゼは、新暦41年の生まれで、彼女が中等科に上がった年にIMCSが始まりました。最初の三年は、彼女も『様子見』を決め込んでいたのですが、高等科の時に2回だけ、第4回大会と第5回大会に出場したのだそうです。
本人はそれなりに自信があったようですが、実際には2回とも『地区予選』の決勝で敗退してしまい、『自分など所詮はこの程度だったのか』と落胆して、そのまま引退したのだと聞きました。しかし……叔母は私にそこまでしか語りませんでしたが、後に私が個人的に当時の資料を調べてみたところ……どうやら、叔母に勝ったのは、二人とも『その年の都市本戦の優勝者』だったようです。名前は、確か……クイント・パリアーニ選手と、メガーヌ・ディガルヴィ選手……だったかな?」
「つまり、実際には、ただ単に『二年続けて対戦カードに恵まれなかった』というだけのことだったんですね?」
「本人は、決してそういう『言い訳めいた表現』はしなかったのですけれどね」
《ええ……。それって、スバルさんのお母さんとルーテシアさんのお母さんのことだよネ? 世間、狭すぎるんじゃない?》
《まあ、IMCSの「ミッド中央」に限定された話ですからね。狭くなるのは、ある程度、仕方が無いんじゃないですか?》
《いや。それにしたってサ……。》
カナタはまだちょっと納得がいかない表情でした。
バラムとコニィの会話は、もう少しだけ続きます。
「私自身も3回とも地区予選で敗退し、都市本戦にまでは一度も行けなかったのですが、その3年間は毎年10月になるとは学校をサボり、叔母と一緒にクラナガンに泊まり込んで、都市本戦の最終日は、『男子の部』だけでなく、『女子の部』の方まで会場で間近に観戦しておりました。
今でも、『決勝戦』の様子などはよく覚えています。81年のヴィクトーリア対ザミュレイ戦は、実力に差があったのか、割と一方的な展開になってしまって、決勝戦としては今ひとつ面白味に欠ける感じでしたが、82年のアインハル
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