【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第6節】ヴィクトーリアの思惑とIMCSの話題。
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に入った三人の陸曹たちですが……まず、ジョスカナルザードがこう答えました。
「オレはガキの頃から、友人のタカシと一緒に格闘術の道場に通わされていました。家の近くには、抜刀術の道場もあったんですが、どうやら、親たちは『いざという時のためには、素手でも使える技術を身に付けさせておいた方が良いだろう』などと考えていたようです。
おかげで、確かに、その当時から格闘はまあまあ得意な方だったんですが、オレは、中等科に上がった直後にいろいろとやらかして、道場を『破門』されまして……。そのせいもあって、『何かの大会に出場する』という選択肢は思いつきもしませんでした」
《ジョーさんは、12歳の時に、一体何をやらかしたんだろう?》
《これまた、お訊きしても、『それは秘密です』と返されてしまいそうですねえ……。》
次は、フェルノッドの番です。
「最初に言っておくと、オレは魔力量がとても少ないんですよ。多分だけど、このメンバーの中では、一番少ないんじゃないのかな?」
「そうなんですか?」
コニィのちょっと意外そうな声に、フェルノッドは小さくうなずきました。
「だからこそ、小児の頃から格闘技を習い覚えたりもしたんですが……IMCSは、確かに格闘系の選手も多いけれど、基本的には『魔法戦競技会』ですからね。正直な話、『自分の苦手な分野』にわざわざ出場しようなどという気は全く起きませんでした」
「それでは、出場経験があるのは、本当に私だけなのか」
バラムは開口一番、やや寂しげにそう言って、自分の話を始めました。
「私は、中等科の3年間だけ、新暦81年の第29回大会から83年の第31回大会まで、IMCSに出場しました」
「高等科では、もう止めてしまったんですか?」
「いえ。必ずしも止めたくて止めた訳では無かったのですが……私は第31回大会で、少々派手な反則をやらかし、運営側から『翌年度の出場禁止処分』をくらってしまったので……」
「えっ? 具体的には何をやらかしたんですか?」
「実は、地区予選の準決勝で、ダウンした相手がヘラヘラと笑っていやがったので、『痛くねえなら、早く立てよ、バカヤロー』と声をかけてやったら、『カウント9までは休んでいて良いんだよ、バーカ』とほざきやがったので、私はついカッとなって、その無防備な脇腹に全力で前蹴りを入れてしまったのです」
ダウンしている相手への攻撃は、もちろん、反則です。
コニィはふと「何か」を思い出そうと眉間に皺を寄せましたが、バラムはそれを意に介さず、淡々と言葉を続けました。
「そうしたら、相手も一時的に身体強化魔法を切っていたらしく、一発で肋骨がイッてしまいまして……相手も医務室送りになりましたが、私も反
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ