暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
 【第6節】ヴィクトーリアの思惑とIMCSの話題。
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に入った三人の陸曹たちですが……まず、ジョスカナルザードがこう答えました。
「オレはガキの頃から、友人(ダチ)のタカシと一緒に格闘術の道場に(かよ)わされていました。家の近くには、抜刀術の道場もあったんですが、どうやら、親たちは『いざという時のためには、素手でも使える技術を身に付けさせておいた方が良いだろう』などと考えていたようです。
 おかげで、確かに、その当時から格闘はまあまあ得意な方だったんですが、オレは、中等科に上がった直後にいろいろとやらかして、道場を『破門』されまして……。そのせいもあって、『何かの大会に出場する』という選択肢は思いつきもしませんでした」
《ジョーさんは、12歳の時に、一体何をやらかしたんだろう?》
《これまた、お訊きしても、『それは秘密です』と返されてしまいそうですねえ……。》

 次は、フェルノッドの番です。
「最初に言っておくと、オレは魔力量がとても少ないんですよ。多分だけど、このメンバーの中では、一番少ないんじゃないのかな?」
「そうなんですか?」
 コニィのちょっと意外そうな声に、フェルノッドは小さくうなずきました。
「だからこそ、小児(こども)の頃から格闘技を習い(おぼ)えたりもしたんですが……IMCSは、確かに格闘系の選手も多いけれど、基本的には『魔法戦競技会』ですからね。正直な話、『自分の苦手な分野』にわざわざ出場しようなどという気は全く起きませんでした」

「それでは、出場経験があるのは、本当に私だけなのか」
 バラムは開口一番、やや(さび)しげにそう言って、自分の話を始めました。
「私は、中等科の3年間だけ、新暦81年の第29回大会から83年の第31回大会まで、IMCSに出場しました」
「高等科では、もう()めてしまったんですか?」
「いえ。必ずしも()めたくて()めた訳では無かったのですが……私は第31回大会で、少々派手な反則をやらかし、運営側から『翌年度の出場禁止処分』をくらってしまったので……」
「えっ? 具体的には何をやらかしたんですか?」
「実は、地区予選の準決勝で、ダウンした相手がヘラヘラと笑っていやがったので、『痛くねえなら、早く立てよ、バカヤロー』と声をかけてやったら、『カウント9までは休んでいて良いんだよ、バーカ』とほざきやがったので、私はついカッとなって、その無防備な脇腹に全力で前蹴りを入れてしまったのです」
 ダウンしている相手への攻撃は、もちろん、反則です。

 コニィはふと「何か」を思い出そうと眉間に(しわ)を寄せましたが、バラムはそれを意に(かい)さず、淡々と言葉を続けました。
「そうしたら、相手も一時的に身体強化魔法を切っていたらしく、一発で肋骨(アバラ)がイッてしまいまして……相手も医務室送りになりましたが、私も反
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