【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第6節】ヴィクトーリアの思惑とIMCSの話題。
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ちろん、同時に、念話ではエドガーに『お嬢様が、少し内密の話をしておきたいそうです』と耳打ちします。
「解りました。それでは、早速」
エドガーは、ミニキッチンに高々と積み上げられた「手荷物」の中から一つのトランクを抜き取り、やや急ぎ足で談話室から退出しました。
「ヴィクトーリアは、どうかしたのか?」
ザフィーラが一同を代表して訊くと、コニィは軽く肩をすくめて答えました。『それほど大したことでは無い』と言わんばかりのジェスチャーです。
「少し気疲れした、と言うべきでしょうか。あるいは、今まで気が張っていたのに、久しぶりに伯父上と談笑して何やら気が緩んだ、と言うべきでしょうか。……しばらく昼寝でもすれば、それで治る程度のことだとは思うのですが、私も侍女という立場ですので、お嬢様の健康状態には最大限の配慮をさせていただいた……といったところです」
ザフィーラが『なるほど』とばかりにうなずくと、他の一同もようやく安堵の表情を浮かべました。
そこで、コニィはこう言って、やや強引に話題を切り替えます。
コニィ「ところで、何やら盛り上がっていたようですが、皆さんは今、何の話をされていたんですか?」
ゼルフィ「こちらのテーブルでは、最初は格闘技関連の話をしていました。そもそも、今ここにいるのは、全員が『格闘が得意で選抜された者たち』ばかりな訳ですから」
ノーラ「そこから、アインハルト執務官も格闘技が大の得意で、83年にはIMCSで『次元世界チャンピオン』になったこともある、という話になりまして〜」
カナタ「82年にも、『ミッドチルダ・チャンピオン』までは行ったんですけどネ」
ツバサ「そう言えば、81年のミッドチルダ・チャンピオンは、ヴィクトーリアさんだったんじゃありませんか?」
コニィ「そうです。あの年、エドガーは実家の事情で一時的に身動きが取れなくなっていたので、あの年だけは、私がお嬢様のセコンドにつき、地区予選から世界代表戦までお供をさせていただきました」
ザフィーラ「81年の世界代表戦……。確か、開催地はモザヴァディーメだったか?」
コニィ「はい。私も、当時はまだ15歳で、他の世界へ行くのも初めての経験でしたから、少し『はしゃいで』しまったのですが……」
カナタ「え? 何をどう、はしゃいだの?」
コニィ「少し恥ずかしい話になりますので、それは秘密です。(笑)」
コニィは、カナタの「いささか失礼な質問」を笑って受け流し、こう言葉を続けました。
「ちなみに、あの時は、お嬢様も微妙にコンディションを崩していたようで、残念ながら、準決勝戦で敗退となってしまったのですが……やっぱり、重力の強い世界では、現地選手の方が有利ですよねえ。あの年も、お嬢様に判定で勝っ
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