【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第5節】他人(ひと)には言えない八神家の状況。
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腰を折ってしまったことを思い出しました。
「それでは、先程の『主観の共有』という話も、オカルトなのデスか?」
「そうやな。少なくとも現行の科学では説明がつかん」
そう前置きをしてから、はやては、まず例え話をしました。
「でもな。例えば、地球で言う『万有引力の法則』も、ニュートンさんが最初に言い出した時には『オカルト理論』という扱いだったんやで」
「ええ……。それは、何故デスか?(吃驚)」
「当時の地球では、まだ『場』というモノが正しく理解されとらんかったからな。『直接の接触が無いモノに対して、作用力だけが空間を超えて届くのは異常しい』という考え方の方が、まだ一般的だったんや」
「いや……。それだと、磁力すら説明がつかないのでは?」
「そうやなあ。でも、それはもう、ざっと350年も昔の話。ミッドでは旧暦の半ば、ベルカでは〈大脱出〉の最中、日本では『印籠の御老公』のモデルになった人がまだ現役で活躍しとった時代の話や」
「……確かに、社会全体があんな状況だったら、人々がまだ『重力の本質』について何も理解できていなかったとしても、それは仕方の無いことデスね……」
ミカゲは頭の中に「時代劇の光景」を思い浮かべながら、少し奇妙な納得の仕方をしてしまいました。
【もちろん、ミカゲには「日本と欧州の歴史や文化の違い」など、理解できてはいません。やはり、ミッドチルダやベルカを基準にして考えると、『一個の惑星の上に、互いに起源の異なる文化圏が幾つも併存している』という状況は、なかなか想像しづらいモノになってしまうようです。】
「だから、『主観の共有』というのも、今はオカルト扱いの考え方やけど、また何百年かしたら、きちんと説明できるようになるのかも知れん。私はそう思うとるんよ」
はやてはそう言って、話を本筋に戻しました。
「では、マイスターの言う『主観の共有』とは、具体的にはどういう状況のことなのデスか?」
「それは、今こうして私らが同じ卓を囲んどるように『一定の「場」を共有すること』で初めて成り立つ性質のモノやからな。地球でよくある『ネット対戦』のような状況では、なかなか『主観の共有』は起こらんのやけど。こうして、互いに顔を合わせて慎重に相手の気配を読み合っとるような状況では、時として、『特定の人の強い思い込みが周囲の人たちにも伝染してゆく』ということがあるんや。
例えば、さっきも少し言いかけたけど、麻雀のような運ゲーで、実力には差が無いのに、一人だけが『バカ勝ち』しとる時には、その人が『自分は今、ツイている。流れが自分に来ている』と強烈に思い込んで自信満々に打っとると、他の三人も『流れは今、アイツに行っている。自分には来ていない』と感じて無意識のうちに萎縮し、つい慎重に打ち
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