【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第5節】他人(ひと)には言えない八神家の状況。
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自分の手を覚られないように打つ』という能力だ。
お前みたいに、要らない牌を本当に要らない順で捨てて行くと、外から見ていて何をやってるのかが丸わかりなんだよ」
(ぐぬぬ……。)
ミカゲが何も言い返せずにいると、ヴィータは容赦なく、さらにこう畳みかけました。
「そして、第二に、相手の手を読んで、振り込まねえようにする能力だ。麻雀ってのは、単純に『アガったヤツが勝つ』ゲームじゃねえ。基本的には『アガった上で振り込まなかったヤツが勝つ』ゲームなんだよ。……お前、『満貫をツモれば、満貫を振り込んでも、プラマイゼロ』ぐらいに思ってるだろう?」
「違うんデスか? 両方とも親だったり、両方とも子だったりすれば、得点は同じデスよね?」
ミカゲはささやかな抵抗を試みましたが、ヴィータはそれをもバッサリと切って捨てました。
「得点は同じでも、結果が違うんだよ。例えばの話、お前が、東1局には西家でいきなり満貫をツモり、東2局では対面の北家に満貫を振り込んだとしようか。お前は3万点に戻るが、さて、ここで北家は何点になる?」
「北家は、東1局では親として4000払ってるから……3万4千点デス」
「ほらな。相対的に、お前の『順位』は下がってるだろう? 『トップとの点差』がゼロから4000に増えてるんだから、これはプラマイゼロじゃ無えんだよ。
八神家では普段、陸符や順位点は特に付けてねえが、時にはそういうルールで行くことだってあるんだからな。お前はマジで、もう少し細かいところにまで注意を払うようにした方が良いぞ。……日常的に」
(ぐぬぬ……。)
『ぐうの音も出ない』とは、まさにこのことです。
3巡目、ミカゲは運よく嵌張を引きました。『親なのだから、また安手で早アガりを』とも思ったのですが、はやては別の牌を指さします。
「そっちから行くんデスか?」
「せっかく『流れ』が来とるんや。まだまだ負けとるんやから、ここは勝負に出るべきやろう」
「そういうものデスか……」
ミカゲは、内心では首をひねりながらも、はやての指示に従いました。
そこで、アギトがふと口を挟みます。
「でも、マイスター。アタシが昔、読んだ麻雀のテキストにも、『俗に言う「流れ」はオカルトである』とか書いてあった気がするんだけど」
「それはそれで間違ってはおらんけど……私も一時は『歩くオカルト』とまで呼ばれた人間やからなあ。(苦笑)『現行の科学では説明がつかないから』というだけの理由で『特定の事柄を頭から否定する』というのも、どうかと思うんよ」
そこで、ミカゲは不意に、自分が先程、「はやての話」の
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