暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
 【第5節】他人(ひと)には言えない八神家の状況。
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「念話も含めて」魔法の使用は一切禁止という決まりになっているからです。

「ええ……。でも、それだと、アガれる確率はだいぶ低くなるデスよ?」
「負けが込んどる時に、親でもないのに、クソ手でアガっても仕方(しゃあ)ないやろ。こういう時こそ、(こころざし)を高く()たなアカンて」
 ミカゲはたっぷり3秒ほど悩んでから、それに同意しました。
「……解りました。それで行くデス」
 そう言って、自分の前にある山から最初のツモを引き……思わず目を丸くします。
「なっ。意外と、こういうモンやろ?」
「……何か、確率を超えた力を感じるデス……」
 ミカゲはそんな声を上げながら、まず「八萬」を切りました。
 そして、2巡目には堂々と「七萬」を切ります。

 ヴィータ(おいおい。初手でチーをしなかったのはまだ解るが、いきなり両面(リャンメン)塔子(ターツ)をぶった切るのかよ。……となると、狙いは対々和(トイトイホー)か? それとも、三暗刻(サンアンコー)か? それを隠しもしねえってことは、だいぶ手が早いと考えた方が良さそうだな。)

 8巡目、アギトは随分と重苦しい表情をしていました。察するに、配牌(ハイパイ)は良かったものの、ツモにあまり恵まれていないのでしょう。一方、ミカゲは逆に、配牌はビミョーだったものの、ツモには随分と恵まれているようです。
「マイスター! ホントに来たデスよ!」
 9巡目、ミカゲは思わず喜びの声を上げました。
「よし。ここは、即リーやな」
「1000点は残っていて良かったデス」
 ミカゲは嬉々としてリーチをかけ、一本だけ残っていた1000点棒を場に置きます。

 そして、12巡目。親のシグナムが難しい表情でツモ切りをした後、はやては(体の小さなミカゲに代わって)遠く対面(トイメン)の山に手を伸ばしてツモを引いて来ると、そこでふと手を止めました。
「ここは行くべきやろか?」
「行くしか無し子ちゃんデスよ!」
「よし。三索(サンソー)、カン!」
 はやては作法どおりに四枚の「三索(サンソー)」を場にさらし、外側の二枚を裏返して右の(かど)に並べ置いてから、(カン)ドラ表示牌をめくりました。
 暗槓(アンカン)の場合には、カンをした時点で(つまり、嶺上牌(リンシャンパイ)をツモる前に)(カン)ドラ表示牌をめくっておくのが、八神家のルールです。
 新たなドラは「四筒(スーピン)」でした。
 ミカゲの表情がパァッと明るくなり、さらに、はやてが嶺上牌(リンシャンパイ)を持って来ると、ミカゲは驚愕に打ち震えます。
 はやては、まずその牌を倒してから、残り10枚の手牌をも倒しました。その中には、「四筒(スーピン)」の暗刻(アンコ)も含まれています。
「リーチ、ツモ、リンシャン、三暗刻、ドラ3。倍満
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