【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第5節】他人(ひと)には言えない八神家の状況。
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頼むぞ」
アギト「くどいようだけど、ホントに大丈夫なんだよね?」
シャマル「ええ。大船に乗ったつもりでいてくれて良いわよ」
ヴィータ「現実に大きな艦に乗っている時に、そんな地球の慣用句を聞かされてもなあ。(笑)」
こうして、〈スキドブラドニール〉は15時に新航路に入り、予告どおりに部屋全体が少し揺れた後、しばらくすると今度は、はやてが一人でその部屋を訪れました。
「こちらの居住区画も少し揺れたみたいやけど、みんな、大丈夫やったか?」
「はい。山が崩れるほどの揺れではありませんでした」
(ここで言う「山」とは、伏せた形で上下二段に積み上げられた一連の牌のことで、実際、何かの拍子に崩れてしまうことも、時にはあり得ることなのです。)
「それは良かった。まあ、あちらの居住区画の件も……念のために私も待機しとったんやけど、結果としては、タオ一人で充分やったわ。これでもう、邪魔者も排除できたし、あとはホンマに『予定』のとおりやな」
「それじゃ、マイスター。今、この艦はもう『全速力』で動いてるんですか?」
「うん。そうやで」
「そんなコトより、ミカゲはマイスターに助けてほしいデス」
唐突にそう懇願されて、はやてはミカゲの許へと歩み寄りました。どうやら、ちょうど配牌が終わったところだったようです。
ミカゲ「ミカゲは、西2局にして早くもハコ割れ寸前なのデス。しかも、この配牌は、何をどう打てば良いのか、さっぱりデス。(半泣き)」
はやて「どれどれ。……う〜ん。確かに、これはちょぉ難しいなあ……。三人とも。私、この西場だけミカゲに少し手を貸してもええか?」
ヴィータ「どうせ、暇つぶしだ。ルールは最初からユルユルだよ。(笑)」
アギト「相手がマイスターでも、忖度はしませんからね。(何やら自信ありげ)」
はやて「当たり前やろ! 家庭麻雀で『接待』とかされたら、かえって哀しいから、やめてや。(笑)」
シグナム「それでは、席に着いてください。始めますよ」
はやてはミカゲを一旦立たせ、「肘掛けの無い、背もたれ付きの四角い椅子」を右回りに45度だけ回してから、両膝を大きく開いて深く座り、自分の前、椅子の角の部分に小さなミカゲをちょこんと座らせました。
それを見届けてから、親のシグナムがまず「九萬」を切ります。
ミカゲの問うような視線を受けて、はやては指先で手許の牌をそれぞれに指し示しながら、わざわざ声に出してこう答えました。
「いやいや。もっとこちら側を揃えていくつもりで、この辺はもうバッサリ切ってしまおうや?」
八神家のルールでは、麻雀をしている間は
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