【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第4節】守旧派の内情と〈放浪者〉エリアス。
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念かも知れませんが……忠誠心というのは、そもそもそういうものですよね?」
エドガーはそう言って、いきなりザフィーラに話を振りました。この談話室には今、多少なりとも解ってくれそうな人物が、彼しか見当たらなかったからです。
「うむ。当然のことだ。オレも、最初に忠誠を誓った時には、提督はまだ9歳の小児だった。いい齢をした大人が、その年代の小児に恋愛感情など抱いたら、それはもう『通報もの』の変態だろう」
ザフィーラは、『お前ら、このオレを変態あつかいするつもりか?』と言わんばかりの口調で、全員を睨みつけました。
「それに、何か勘違いをしている者がいるようだが……エドガーには、すでに妻も子供もいるぞ」
「ええ……」
ザフィーラの発言に、フォデッサは思わず(念話ではなく)実際に声を上げてしまいました。いきなり話を戻されたエドガーは、何やら苦笑しながらも、淡々とした口調でこう応えます。
「私は、10年前に妻と結婚し、すでに1男1女があるのですが……そもそも、妻ブルーナとの出逢いは、お嬢様からの紹介によるものでした。『この春から、あなたも正式に私の補佐官になるのだから、そろそろ身を固めておきなさい』と言って、わざわざ彼女を私の許にまで連れて来てくださったのです」
《ええ……。それって、ヴィクトーリアさんは一体どういう感情なの?》
《アタシら、下々の常識がまるで通用しねえ……。上流階級、マジ、パねえっス。》
《これって、もしかしたらクラウスとオリヴィエよりも、もう一つ古い時代のノリなのかしら? それとも、これが「東部州の文化と北部州の文化の違い」ってことなの?》
その後も、話題を変えて雑談は続きましたが、マチュレアとフォデッサはしばらくの間、妙に口数が少なくなってしまったのでした。
一方、ベルカ地上の第五地区では、フランツとエリアスが新茶を楽しみながら、談笑を続けていました。
やがて、フランツはエリアスから「彼等の共通の姪」の現状を問われて、『ヴィクターとは先程、こんな話をしたんだよ』といった事柄を語り始めます。
その中には、「ミウラ二等陸尉とやらの率いる部隊が、今もどこか近くで訓練中であること」や、「古代遺物管理部・捜査四課の第二独立小隊とやらが、今もこの地区に仮滞在中であること」なども含まれていました。
「どうせ、君もしばらくは、こちらに滞在する予定なんだろう? ヴィクターは帰りにも立ち寄るようなことを言っていたから、きっとまた半月か一月もすれば、こちらに顔を出すよ。それまで、ゆっくりして行きたまえ」
フランツも、ヴィクトーリアから『まだ当分は内緒にしておいて』と言われた話(すでに〈スキドブラドニール
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