【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第4節】守旧派の内情と〈放浪者〉エリアス。
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
首」と「滑空するための安定翼」を取り付け、さらに、コンテナ全体を覆って密閉するような形で「折りたたみ式の外殻」を取り付けます。
【結果として、全体的なフォルムは「一般の航空機」よりも、むしろ、地球で言う「スペースシャトル」に近い代物となります。】
あとはカタパルトに移し、軌道を計算して適切に射出してやれば、『飛行ユニットは全自動で、船底の下方に断熱シールドを展開して大気圏に突入し、グライダーのように目的地まで滑空し、現地からのビーコンに従って滑走路に着陸する』という手順です。
裏を返せば、これは滑走路や管制塔の無い場所には上手く着陸することができません。この種の「飛行ユニット」には、最初からエンジンの類が搭載されておらず、安定翼を微妙に変形させることで、方角や飛距離を少しばかり調節することができるだけなのです。
【そのためのAIなどは、すべて船首の中に内蔵されています。】
意外なほどのローテクですが、次元航行船の船内から地上への(あるいは、地上から船内への)転送に必要なエネルギー量は、おおむね転送対象の「質量」に依存しているので、重量のあるモノはこうして直接に投下した方がはるかに安上がりなのです。
もちろん、資金やエネルギーをどれだけ使っても構わないのなら、『発掘された「隠し書庫」を丸ごと〈無限書庫〉の一郭に転送する』などという荒業も、技術的には充分に可能なのですが、なるべく資金やエネルギーを節約しながら単なる「日常業務」を数多く正確にこなそうとすると、やはり、こうした「信頼性の高いローテク」に頼るのが一番でした。
なお、こうした「飛行ユニット」それ自体は(エンジンも無いため)相当に軽量で、目的地でコンテナを降ろした後でならば、それを「転送で」次元航行船の中に回収しても大したコストはかかりません。しかも、船首と安定翼と外殻を取り外して(コンテナの代わりに)船底の上に乗せてしまえば、スペースもそれほど取らないので、次の便が来るまで現地で保管しておくことも容易です。
また、一般に「転送」と呼んではいますが、軌道上の艦船から地表へ人員を送り込む際の「転送」は全く亜空間など経由してはいません。もちろん、それもまた魔導技術の賜物ではあるのですが、それはあくまでも「通常空間経由の高速移動」です。
そのため、万が一、大気圏内を重量物が移動していた場合には、最悪の想定として「接触事故」の起きる可能性がありました。そうした人身事故を未然に防ぐためにも、管理局の「通常規定」としては、『貨物の投下と人員の転送は、決して「同じ場所で同時に」行なってはならない』という決まりになっているのです。
幸いにも、この輸送船は〈スキドブラドニール〉より5分ほど遅れて惑星
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ