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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
 【第3節】古代ベルカに関するエドガーの講義。
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〈スキドブラドニール〉が亜空間から通常空間に降りた後、ヴィクトーリアとコニィを除く一同が談話室からホールへ移動してみると、そこにはいつの間にか学校の講義室のような感じで「片側四〜五人掛けの細長いテーブル」が横向きで前後に四つ並べられていました。椅子は、最前列から順に、四脚、五脚、四脚、五脚と並べられており、ちょうどエドガー以外の18名が座れるようになっています。
 一方、正面の大スクリーンには、惑星ベルカの北半球のリアルタイム映像が大写しになっていました。どうやら、静止衛星軌道上のサーチャーから送られて来た画像を拡大したもののようで、映像の上では惑星が全く自転をせずに静止しているように見えます。

 まず、ザフィーラが有無を言わさず最後列の真ん中の席に陣取ってしまったので、その両側にはごく自然に、先程まで彼と雑談をしていたカナタとツバサ、マチュレアとフォデッサが座りました。そして、三列目には同じ一貫校を出た例の四人組が席を占め、二列目と最前列では他9名の男性陣がバラバラと席に着きます。
 エドガーは私物を取りに少しばかり自室へ立ち寄っていたので、一人だけ遅れて前方の入り口からホールに入りました。そのまま壇上の(はし)に上がり、教卓のような縦長の小さな机の上に、一冊の()厚い本を置きます。
「皆さん、すでにお揃いですね。では、早速(さっそく)始めましょうか。准将からは古代ベルカの文化についての話をするように言われておりますが、ミッドで一般の陸士として働いていると、古代ベルカの歴史に触れる機会もなかなか得られないだろうと思いますから、まずは歴史についてもごく大雑把に触れておきましょう」
 以下、エドガーの講義は30分あまりに(わた)って続きました。


「さて、ベルカ世界もミッドチルダと同様、次元世界における『歴史の起点』とも言うべき〈大断絶〉より前の時代には、どうやら、まだ無人の世界だったようです。その後、千五百年ほど続いた『先史ベルカ時代』は、古代ベルカでは〈栄光の時代〉とも呼ばれていましたが、それが具体的にどんな時代であったのかについては、今ではもう全く解らなくなってしまっています。
 ただし、『その当時から、ベルカ世界には〈聖王家〉が存在し、〈ゆりかご〉が存在し、他にもさまざまな〈アルハザードの遺産〉が存在していた』ということだけは、歴史的に確かな事実のようです。
 そして、今からおよそ千六百年前に〈次元世界大戦〉と呼ばれる事件がありました。『ベルカ聖王家が、禁断の兵器である〈ゆりかご〉を目覚めさせ、アルハザード()(あと)の次元世界に覇を唱えようとしていた幾つもの有力な世界を一方的に打ち滅ぼした』という大事件です。
 それ以降の二百年ほどが、いわゆる〈空白の時代〉ですが、その時代に惑星ベルカは急速に寒冷化し、海面
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