【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第3節】古代ベルカに関するエドガーの講義。
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栄よりも王国の繁栄を優先させることができるような女性』だけを選んで、王妃に迎えていたのでしょうね。また、古代ベルカでは、『王妃の親しい身内』の中から王妃自身の推薦によって妾が選ばれることも多く、王妃と妾の仲は必ずしも険悪なものではなかったと言います。
しかし、実際には、もちろん、そんな理想的な状況ばかりではなく、王妃と妾が互いに対立することもよくあり、そうした対立の結果として、王妃が早くに亡くなって、妾の一人が新たな王妃となった場合には、『前の王妃が生んだ「年少の王子」の継承順位が、後から繰り下げられてしまう』などという事例もありました。
一説によると、〈剣王〉アルトゥリウス三世も、幼いうちに母親を亡くし、随分と継承順位が低くなってしまったために、あの映画でオリヴィエがシュトゥラ王国に預けられていたのと同じように、幼児期には同母の姉とともに、どこか別の国に預けられていたのだと言います」
こうしてエドガーの説明に一区切りがつくと、まるでそのタイミングを見計らったかのようにホールの前の方の扉が開き、はやてとリインの二人が入って来ました。
突然のことで、ホールは不意に静まり返ってしまいます。
「んん? もしかして、何かお邪魔やったか?」
「いいえ、准将。ちょうど今、私の話にも区切りがついたところです」
「それなら、良かったわ。何やら面倒事を押し付けたみたいで、エドガーも済まんかったなぁ」
「いえ。この種の話であれば得意な方ですから、決して面倒と言うほどのことではありませんでしたよ」
「そう言うてもらえると、私としても気が楽や。……ほな、みんなにはこちらからの報告も聞いといてもらおうか」
エドガーの返答に、はやても随分と砕けた口調でそう応えました。ただし、実際の報告はリインの役目となります。
「艦橋を経由するのも、かえって面倒なので、こちらから直接にお伝えします。当艦はつい先程、惑星周回軌道を離脱しました。ヴィクトーリアさんとコニィさんは何やら少し気疲れしたそうで、今は自室で休んでいます。
また、当艦は予定どおりに新航路に入ります。航路の側に若干の問題があって、亜空間に突入した直後に、艦が少しばかり揺れることになるだろうと思いますが、御心配には及びません。皆さんは引き続き、御歓談ください」
「と言うても、ここでは茶のひとつも出ぇへんからなぁ。話の続きはまた談話室でやってや。……ああ、それから、帰りには、今度は『全員で』ベルカに上陸する時間的な余裕もあるやろうからな。みんな、期待しとってや」
はやてがそう言葉を足すと、どっと歓声が湧きました。案の定、大受けです。
こうして、はやてとリインは自室に戻り、総勢1
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