【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第3節】古代ベルカに関するエドガーの講義。
[7/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
として「中世貴族社会の爵位や階級」について、次に「古代ベルカの宗教意識」について、さらには「その世界観(マクロコスモスの成り立ちについての考え方)や霊魂観(ミクロコスモスの成り立ちについての考え方)」などについてもごく大雑把に語り、『その多くが新世界にも継承されているはずだ』ということを皆に伝えました。
【爵位は、いわゆる「公・侯・伯・子・男」のことです。なお、古代ベルカの宗教意識や世界観や霊魂観に関しては、「プロローグ 第10章」の「背景設定10」で詳しく述べておきましたので、ここでは繰り返しません。】
そうした「ひととおりの説明」を終えても、まだ少しだけ時間が余ったので、エドガーは最後に幾つか質問を受け付けることにしました。
すると、フェルノッド陸曹が真っ先に手を挙げて、こんな質問をします。
「そもそもの話、第三戦乱期は、何故〈聖王戦争〉などと呼ばれているんですか?」
「それは、ベルカ聖王家という存在が、それまでは常に『戦争の調停者』であり続けていたのに、その戦乱期において初めて聖王家そのものが攻撃の対象となり、戦争の当事者となったからです。つまり、〈聖王戦争〉とは、元来は『聖王家までもが当事者として巻き込まれてしまった戦争』という意味の用語なのです。
その時代に、ベルカ世界は〈聖王連合〉と〈反聖王連合〉に、真っ二つに分かれて相争いました。そうした中で、聖王連合の中核を成していたのが、各州に一つずつの四大同盟国。すなわち、北部州のグンダハール帝国、南部州のガレア王国、東部州のシュトゥラ王国、西部州のダムノニア王国、の四か国だったのです」
エドガーはすらすらとそう答えながらも、指示棒でスクリーンの上に、それら四か国の都のおおよその位置を指し示していきました。
「なお、現在、ベルカ地上に存在する幾つかの発掘調査の現場は、いずれも当時の王都や離宮などの『都市遺跡』が眠る場所なのですが、残念ながら、〈聖王の都〉はまだ正確な所在が不明のままとなっています」
【実際には、第八地区だけは例外で、全くその種の「都市遺跡」ではなかったのですが、その事実は、まだエドガーたちにも知らされてはいません。】
「また、〈聖王〉オリヴィエが〈ゆりかご〉とともにミッドに移ってから10年後、戦乱の正式な終結とともに、以後50年に及ぶ〈ベルカ世界からの大脱出〉が始まった訳ですが、〈剣王〉と〈覇王〉はその直前に死亡しました。
ダムノニア王国の〈剣王〉アルトゥリウス三世は戦場で敵の大将と相討ちになったそうですが、シュトゥラ王国の〈覇王〉クラウス六世は血まみれの姿で独り王宮に戻り、王妃と王子の目の前で息絶えたのだと伝えられています。
なお、グンダハール帝国の〈雷帝〉ダールグリュン四世は当時すでに老齢で、みずから戦場に出ることもありません
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ