【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第3節】古代ベルカに関するエドガーの講義。
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の低下によって〈中央大陸〉も初めてこの画像のような形になりました。それ以前には、細長く伸びた海によって、この大陸は〈中央島〉とその東西南北にある〈四つの小型大陸〉とに分け隔てられていたのです。それらの土地が、後の〈中央大陸〉でもそのままに、聖王直轄地と四つの州になりました」
エドガーはそう言って指示棒を取り、スクリーンの中心に映った〈中央大陸〉の画像の上に「小さめの中心円」とその四隅から外側に向かって伸びる「四本の斜め線」をかなり正確に描き込んでいきます。
それを見ると、先程までエドガーと親しく話し込んでいたフェルノッド陸曹が、最前列から思わず砕けた口調でこんな感想を述べました。
「北部州って、こんなに小さかったんですか?」
よく見る地図では、北部州の方が南部州よりもかなり大きく描かれているのに、スクリーンには、むしろ南部州の方が北部州よりもだいぶ大きく映し出されていたのです。
エドガーは、そんな突然の質問にも、実にすらすらとこう答えました。
「私たちが普段から見慣れている平面上の地図は、おおむね円筒図法の類で描かれたモノなので、緯度の高い場所ほど東西に、そして、しばしば南北にも、大きく拡大されてしまっています。
一方、この画像は赤道のはるか上空から惑星全体を見下ろしている映像なので、中心点から遠くへ離れた場所ほどひどく斜めに見ている形になり、結果として、大陸の北側や東端部や西端部は『実際の大きさ』よりもだいぶ小さく見えているのです。……え〜っと。艦橋の担当者の方、聞こえますか?」
エドガーが宙に向かってそう語りかけると、『はい、どうぞ』と、機械のように無機質な音声が何処からともなく即座に返って来ました。
「中央大陸の実際の大きさと形を、この画像の上に同じ縮尺で重ねて見せることは可能でしょうか?」
「はい、可能です」
スクリーンには、ほとんどタイムラグ無しで、エドガーが要求したとおりの映像が出ました。大陸の中心点同士を一致させているので、南岸部は少しだけ、東岸部や西岸部や北岸部はもっと大きく、それぞれの方向に拡大された形の映像となります。
「ありがとうございました」
エドガーは、名も顔も知らぬオペレーターに一言礼を言ってから、講義に戻りました。
「こうして見れば解るように、実際には、北部州と南部州はおおよそ同じ広さです。東部州と西部州もおおよそ似たような広さで、南北の二州よりは少し広くなっており、大陸全体では、ミッド〈第一大陸〉のおよそ2.6倍の面積となっています」
【地球の単位で言うと、北部州と南部州がそれぞれ460万平方キロメートルほど。東部州と西部州がそれぞれ570万平方キロメートルほど。中央の聖王直轄地は、せいぜい40
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