【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第2節】ベルカ地上にて。フランツとの会話。
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得の表情を浮かべます。
「なるほど。……それと、もう一つお訊きしたいのですが、伯父様。他には何か、ベルカ世界の地上で最近、管理局の『妙な動き』とかはありませんでしたか?」
「私も、他の地区の話まで熟知している訳では無いんだが……。そう言えば、この地区では先月、所属のよく解らない部隊が『しばらく、この近くで訓練をします』と挨拶をしに来たことがあったよ。担当者も『発掘調査の邪魔をしないように、充分に距離を取ってほしい』と念を押していたけれどね」
これには、コニィがいささか驚きの声を上げました。
「えっ? でも、何故その部隊はわざわざベルカ世界などを選んで訓練をしているのですか? 訓練に適した場所など、他に幾らでもありそうなものですが」
フランツも、これにはいささか首を傾げながら、こう答えます。
「渉外担当者もあまり詳しいことまでは訊かなかったそうだが……魔力の無いスポーツ選手もわざと酸素の薄い高地を選んで心肺のトレーニングをすることがあると言うからね。このとおり、ベルカの大気はまだ魔力素がだいぶ薄いままだから、それと同じような感覚で魔力のトレーニングでもしているんじゃないのかな?」
「念のためにお訊きしますが、部隊長の名前とかは解りますか?」
「この齢になると、固有名詞がとっさに出て来なくなってねえ……。確か、古代ベルカの伝承に出て来る『巨女』のように大柄な女性だったよ。身長はほとんど12クーロに届いていたんじゃないのかな?」
【クーロというのはベルカ式の長さの単位で、地球で言う「およそ16.2センチ」のことです。したがって、12クーロはおおよそ194.4センチになります。】
「それは……もしかして、ミウラ・リナルディ二等陸尉ですか?」
「そうそう。確か、そんな名前だったよ。……もしかして、知り合いなのかね?」
「ええ。昔、IMCSで私と対戦したこともある、有名な元選手です」
ヴィクトーリア自身は、『ミウラの体格が「グラックハウト症候群」によるものだ』という事実も知っていたのですが、そうした個人情報については、今は口をつぐんでおくことにしました。
(それよりも重要なのは、彼女の「現在の所属」です。)
「そうか。私は、エリアス君と違って、そちらの方面には疎くてねえ」
フランツは、何やら申し訳なさそうな口調で、そう応えました。
「他には、何かありませんでしたか?」
「そうそう。今の『IMCS』で思い出したんだが、実は、数日前から『古代遺物管理部・捜査四課の第二独立分隊』と称する技官の三人組が、この地区に仮滞在をしていてね。こちらの分隊長さんは、先程の部隊長さんとは対照的に身長が10クーロほどしかない小柄な女性なんだが、聞く
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