【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第1節】艦内生活、二日目の朝の様子。
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……」
「ええ。私が〈本局〉の技術部の方で聞いた話では、『このまま順調に小型化が進行すると、早ければ来年の初めにでも、〈AMF発生装置〉は人間が普通に背負って歩けるほどの大きさと重さになるだろう』という話だったわ」
これには、ゼルフィとノーラも思わず、嫌そうな呻き声を上げました。
本当にそうなったら、AMF発生装置はわざわざ「ドローンに搭載」などするまでもなく、もっとお手軽に犯罪に利用されるようになるだろうと、容易に想像がついてしまったからです。
何秒か気まずい沈黙が続いた後、ヴィクトーリアは『少しぐらい強引になっても構わないから、この辺りで一旦、話をまとめておこうか』と考えて、次のように述べました。
「さて、新世界ローゼンで多用されている〈抑制結界〉は、『AMFほど面倒な代物ではない』という話だけれど……現地では、AMF対策の練習台ぐらいに思って、みんな、頑張りましょうね」
「まあ、身体強化魔法が使えるんなら、何とかなりますよー」
「て言うか、ぶっちゃけ、アタシらには『身体強化』以外に得意な魔法もあんまり無いんスけどね」
マチュレアとフォデッサは、いささか自嘲的な微笑を浮かべながら、そう応えたのでした。
そうして8時過ぎになると、マチュレアとフォデッサは早くも「強烈な睡魔」に襲われました。ヴィクトーリアとコニィの同意の許に、カナタやツバサと部屋を交替した上で今から3時間ほど仮眠を取ることにします。
二人は、談話室の一同に一言その旨を告げてから退室しました。他の手荷物はまた後から入れ替えるとして、二人はそれぞれ私物のバッグを手に、ゼルフィやノーラたちの四人部屋へ向かいます。
そして、二人は衣服もそのままに、昨夜はカナタとツバサが寝ていたベッドの上へと倒れ込んだのでした。
その後も、談話室では残る19人で雑談を続けたのですが、やがて、先程のヴィクトーリアの話につられたのか、誰もが口々に『自分の地元では、最近こんな事件があって』といった話を始め、雑談はいつしか情報交換会のような様相を呈して行きました。
やがて11時を過ぎると、マチュレアとフォデッサも元気に起きて来て、遅ればせながら再び席に着き、またそうした会話に加わります。
そして、12時になると、一同はそのまま談話室で昼食を取り、食後もまた雑談を続けたのですが、14時前には、はやてとリインが昨晩の予告どおり、再び談話室に顔を出し、〈スキドブラドニール〉が間もなくベルカ世界に到着することを皆に伝えたのでした。
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