【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第1節】艦内生活、二日目の朝の様子。
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しかしながら、実のところ、アンチマギリンクフィールド(略して、AMF)に対する対策は、新暦71年当時からほとんど進歩していませんでした。
結局は、「魔力以外の何か(物理的な実体や電撃など)を直接にぶつけること」以上に有効な対処法など、何も無いのです。
【なお、〈本局〉の技術部では、もう何年も前から〈AMFキャンセラー〉の開発も進められているのですが、実用化までには、まだ年単位で時間がかかるようです。】
ノーラとゼルフィは〈AMF発生装置〉と聞いて露骨に顔をしかめました。
「あ〜。ホントに来ちゃいましたか〜」
「やっぱり、そちらも、近々ミッドに上陸する感じなんですか?」
「そうね。多分、そうなるだろうと思うわ。……ところで、その口ぶりだと、一般の陸士隊にも、すでに多少の情報は届いているのかしら?」
「はい。ミッドでは、まだ表立って事件が起きたりはしていないんですが、近年は、普通の陸士隊でもAMF対策は喫緊の課題とされています」
ゼルフィはいかにも苦々しげにそう答え、ノーラも思わず溜め息まじりにこんな説明を付け加えます。
「実は、わたしたちの部隊でも昨年9月の『テロ対策の講習会』で、AMFが話題に上ったんですよ〜。その時に、スバルさんたちから一応は対策も教わったんですけど、『何か固いモノを投げてぶつけろ』とか、そういうレベルの対策で……」
確かに、特別なスキルなど何も持っていない「一般の陸士」にとっては、有効な対策と言っても、それぐらいしか無いのかも知れません。
そこで、ツバサがふと、少しばかり別の話題を差し挟みました。
「ところで、その種の〈ガジェット・ドローン〉は、確か、機動六課の頃にはもう存在していたんですよね?」
一連の〈JS事件〉は、確かに特秘事項だらけの事件ではありましたが、それでも、カナタとツバサは母親たちから「多少のコト」ならば聞き及んでいます。
「そうよ。当時は、まだ『特定の人物にしか扱えない』極めてレアな存在だったのだけれど、三〜四年前から急速に一般化し始めたの」
「そうした一般化は、何か特に理由があってのことだったのでしょうか?」
「ドローン本体に関して言えば、どうやら『意図的に不完全な形で、秘密の製法がリークされた』ということらしいわ。『ある種のエネルギー結晶体を動力とする〈完全体のガジェット・ドローン〉に比べると、出力面にやや問題がある』という意味では、一般化したヤツはあくまでも『模造品』でしか無いのだけれど、技術の進歩で〈AMF発生装置〉の方も昔のモノに比べると随分と小型化と軽量化が進んだから、出力不足の模造品ドローンでも、それを搭載したまま楽に飛べるようになったのだそうよ」
「なるほど。発生装置の側の小型化と軽量化ですか
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