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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
 【第1節】艦内生活、二日目の朝の様子。
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でいるの。
 一昨年に、フェイトさんたちがマグゼレナで製造元の犯罪組織を叩いた時には、『これで一段落するのでは?』という楽観論もあったみたいだけれど、どうやら、製造現場は全く別の場所だったようね。ミッドでも、早ければ今月のうちにも、この薬物による事件の報告が普通に上がって来るようになると思うわ」

【その薬物の使用が初めて確認されたのは、新暦87年7月の〈ノグメリス事件〉でのことでした。その事件を担当したのは、広域捜査官のギンガとチンク、および、当時はまだ新人だったメルドゥナ執務官です。
(この件に関しては、「プロローグ 第8章 第6節」を御参照ください。)
 なお、ヴィクトーリアは、メルドゥナとも新暦85年の〈ゲドルザン事件〉で一緒に戦ったことがあり、ギンガやチンクとも新暦87年3月の合同訓練(ジャニスの撮影会)で手合わせをしたことがありました。そのため、ヴィクトーリアは当時から(それほど深い仲という訳でも無いのですが)彼女たちとは仕事の上で「それなりの」付き合いがあり、折りに触れて情報交換などもしていたのです。
 ちなみに、『四年前にミッドで起きた〈テッサーラ・マカレニア事件〉にも、実はこの薬物が(から)んでいた』という事実(こと)は、ヴィクトーリア自身はギンガやチンクから聞いて知っていたのですが、DSAAやIMCSにまで「飛び火」しそうな話に関しては、いささか思うところもあり、ここではあえて話題に乗せませんでした。】

 そんな話を聞くと、ゼルフィは「新世界からミッドに戻った後のこと」を考えて思わず顔をしかめました。ミッドで最初にその種の事件が起きそうな場所のひとつは、当然ながら、首都クラナガンの近辺だからです。
「それって……かなりヤバい話ですよね?」
「正直なところ、自滅を覚悟したテロで使われてしまうと、普通の陸士隊では、相当な人数を()かない限り、あまり上手くは対処できないでしょうね」
「ちなみに、『早ければ今月のうちにも』というのは、割と確かな話なんですか?」
「ええ。実は、年が明けてから、私たち三人はまた改めて、昨年と全く同じようにヴァイゼンとフェディキアの間を何度も往復せざるを得ない案件を担当したのだけれど、今度はただの密輸や密売に留まらず、私たちがフェディキアの首都ゲマルヴィアの近郊にいた時に、目の前で実際に犯罪者が最新型の〈シフター〉を使って暴れたのよ。
 その時は相手も一人だけだったから、私たちも三人だけで何とか対処することができたのだけれど、もしあれほど完成度の高い〈シフター〉を集団で使われていたら、現地でも相当な被害が出ていたでしょうね。
 それで、その際にヴァイゼンの側で逮捕した『密売人の元締め』が白状したのだけれど、そうした最新型の〈シフター〉は昨年末のうちに、ミッドを始めとする幾つもの主要な
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