暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
 【第1節】艦内生活、二日目の朝の様子。
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にはエドガーが、少し遅れてヴィクトーリアとコニィが、さらにはザフィーラが談話室にやって来ました。10人でしばらくお茶など飲んでいると、6時半からは他11人の男性陣もバラバラとやって来ます。
 そして、7時には予定どおり、機械人形(アンドロイド)たちがまた昨日の夕食と同じ要領で21人分の朝食を運んで来ました。
 他に「するべきこと」も無かったので、朝食後はまたテーブルごとに、おおよそ三つのグループに分かれての雑談となりましたが、一同は「余分な椅子」のおかげで昨日よりももう少し自由にグループ間を移動できるようになっていたのでした。


 さて、どうやらゼルフィとノーラは執務官の職務内容にもかなり関心があるようで、ヴィクトーリアに『例えば、最近の仕事って、どんな感じのモノだったんですか?』といった質問をしました。
 ヴィクトーリアは、エドガーもコニィも今は別のテーブルへ行ってしまっているので、仕方なく(?)自分の口で6人の女性陸士たちに対して説明を始めます。
「そうね。まず、昨年は10月の半ばから年末まで二か月あまりの間、私たち三人はヴァイゼンとフェディキアの間を何度も繰り返し往復していたわ。この二つの世界をつなぐ航路は一等航路で、距離も50ローデに満たないから、実は個人転送で移動することも可能なんだけど、ヴァイゼンの〈第一大陸〉とフェディキアの〈中央大陸〉は、おおよそ似たような緯度・似たような経度に広がっているから、『いきなり個人転送をしても向こうの世界の陸地の上に無事に到着できる』という範囲が、どちらも相当に広いのよ」
「個人転送って、『転送ポートも何も使わずに自分の魔法だけで隣の世界へ飛べる』ってヤツですよね。やっぱり、ヴィクトーリアさんたちにもできるんですか?」

 すると、ヴィクトーリアはひとつ大きく肩をすくめてこう答えました。
「残念だけど、これは意外とレアな魔法資質で、私たちは三人とも個人転送ができないの。だから、『転送ポートも何も無い場所で、犯人がいきなり個人転送で向こうの世界へと飛んで逃げても、私たちの方は即座(すぐ)にはそれを追いかけることができない』という理不尽な状況が続いてしまってね。
 最初のうちは、『その犯人が、実は個人転送資質の持ち主だ』という事実(こと)自体も解っていなかったし、さらには、『その犯人が、小児(こども)の頃からずっと生き別れになっていた一卵性双生児の弟と数年前に再会して以来、二人は共謀して定期的に衣服や(かつら)を取り替え、互いにすり替わって捜査を混乱させていた』という事実(こと)も全く解っていなかったから、ことさらに捜査は難航したのよ」
「それは、また……面倒な話ですねえ」
「まあ、事件の本質は単なる『違法薬物の個人密輸』で、大した案件でもなかったんだけどね。捜査の具体的な過程としては全
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