【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第1節】艦内生活、二日目の朝の様子。
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室には意外にも先客がいました。マチュレアとフォデッサが、椅子に腰かけたまま中央のテーブルの上にべったりと突っ伏しています。
なお、いつの間にやら、三つのテーブルの周囲にはそれぞれもう一脚ずつ椅子が足されていました。おそらくは、『最初から「余分な椅子」があった方が、テーブル間の移動もより自由にできるようになるだろう』という配慮によるものでしょう。
「おはようございます」
「あー、おはよー。早いねー」
「二人とも、何故そんなに朝から疲れてるの?」
「ろくに眠れてないんスよ〜」
フォデッサは腕を枕に突っ伏したまま、顔も上げずに力なくそう答えました。マチュレアも即座に、こんな説明を付け加えます。
「私らも昨夜は23時頃、一応はベッドに入ったんだけどさー。すぐ隣であのお二人が寝てるのかと思うと、何だかゼンゼン寝つけなくてねー。多少は『眠れた』と言うか、『意識が飛んでた』とは思うんだけど、気が付いたら5時前でさー。もう眠れそうになかったから、二人で静かにこっちへ移って来たのよー」
見れば、二人の足元には着替えなどを詰め込んだ「私物で安物の」バッグが一つずつ置かれていました。どうやら本当に静かに部屋を離れて、こちらで着替えたようです。
「今のうちに言っとくけど、私たち、朝ごはんを食べたらもう一回寝るから、その時は部屋を替わってねー」
「解りました。今夜は、私たちがヴィクターさんたちと同室になります」
「マジ、お願いするっスよ」
カナタとツバサは、まだ半ば眠っている二人をそのまま放置して、まずはミニキッチンでそれぞれに、よくうがいをしてから一杯の白湯を飲みました。
そして、双子は地球式の体操でしばらく体を動かしてからトイレに行き、いつもどおりに一日分の便をスラリと出し切ったのでした。
【さすがは、12歳児。胃腸もまだ健康そのものです。】
それほど時間をかけたつもりは無かったのですが、それでも、よく手を洗ってから談話室に戻ってみると、いつの間にか、ゼルフィとノーラも来ていて、何やら四人で盛り上がっていました。
マチュレアとフォデッサも多少は眠気が覚めたようで、カナタの顔を見ると、妙にニヤニヤとした笑顔を向けて来ます。
「え? どうしたの」
「いや〜。ちょうど今、ノーラから『カナタきゅんに夜這いをかけられちゃった〜』って話を聞いてたトコだったんスよ。(笑)」
「ちょっと待って! アレは、夜這いじゃないヨ!」
「ごめんね〜。つい面白おかしく脚色しちゃった〜。(笑)」
「それ、脚色じゃないから! 捏造だから!」
「なるほど。ノーラさんの性格がだいぶ解って来ました」
ツバサもやや呆れ顔で、ノーラを軽く睨みつけたのでした。(笑)
それから、6時頃
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