【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第6章】ベルカ世界より、いよいよ新世界へ。
【第1節】艦内生活、二日目の朝の様子。
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はやむなく、人差し指を伸ばして極めて小さな魔力弾をノーラの脇腹の辺りに撃ち込みました。ノーラは思わず『アーッ!』と短い悲鳴を上げて、ようやく目を覚まします。
「ノーラ。起きた?」
「この起こし方はヤメテって、わたし、前にも言ったよね?!」
ノーラもさすがに怒気をはらんだ声を上げましたが、それでも、ゼルフィは涼しい顔でこう応えました。
「そのままだと強姦罪が成立しちゃうから、私はあんたを助けてあげたつもりだったんだけど?」
「はァ〜? 何を言って……。あれ? カナタじゃん。君、何故わたしの抱き枕になってるの?」
「それは、ボクの方が訊きたいヨ!」
カナタの叫びに、ツバサはいかにも『やれやれ』といった口調で応えます。
「ああ。やっぱり、カナタは何も覚えてないんですね」
「やっぱり、って何だよ!?(半泣き)」
「事情を知ってるなら、私たちにも解るように教えてくれない?」
ゼルフィからそう頼まれると、ツバサはまだ少し眠そうな声で、真実を語りました。
「夜中の2時過ぎでしたかねえ。何かドンと大きな音がして、私は少しだけ目を覚まし、ふと下を覗いて見ると、案の定、カナタが床の上に落ちていました。それで、『さて、どうしたものか』と思っていたら、ノーラさんが不意に、とても寝言とは思えないほどハッキリとした口調で『こっちだよ〜、バールゥ。こっち、おいで〜』とか言い始めて……。カナタがその声に誘われて、半ば眠ったまま、ふらふらとそちらのベッドに潜り込んだのを見て、私は『まあ、これなら良いか』と思って、もう一度、寝ました」
「良くないよ! どうして、そこできちんと起こしてくれなかったのサ!?」
「私だって、眠かったんですよ!」
ツバサはやや逆ギレ気味にそう答えます。
「まあ、それなら、強姦罪は成立しないかな。取りあえず、あんたが有罪じゃなくて、私は安心したわ。(笑)」
「ゼルフィ〜、あんまり怖いコト、言わないでよ〜」
ノーラは対照的に、今にも泣き出しそうな声を上げてしまいました。
【ミッドチルダの法律では、成人した男女が「14歳以下の少年少女」に対して「性的かつ身体的な接触」を意図的に実行した場合、合意の有無や双方の性別には関係なく、強姦罪が成立します。
(相手が14歳以下であれば、単なる痴漢でも強姦と同じ扱いになる場合があります。)
しかも、これは親告罪(被害者が訴えなければ犯罪として成立しない種類の犯罪)ではないので、事実関係が明るみになった時点で、たとえ訴えが無くても自動的に成立し、その加害者は「薬物による人格の矯正」などといった「凄まじい処罰」を受けることになります。
ノーラが思わず「泣き出しそうな声」を上げてしま
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