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星河の覇皇
第八十七部第三章 港の整備その六十六

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「まさにな」
「そうした者の意見もですね」
「聞かなくていい」
「あまりにも愚かなので」
「言っていることに中身はないですね」
「聞くべきは批判だ」
 それだというのだ。
「中傷や罵倒はだ」
「聞くものではなく」
「耳に留めるべきでもない」
「そうしたものですね」
「例え言ってきても」
「何処が悪い、こうすればいいというのはいい」
 即ち批判はというのだ。
「それはな、だが根拠のない中傷やな」
「悪意を出している罵倒なぞですね」
「口が悪いのではないですね」
「まさにそうしたもので」
「何でもないですね」
「そこをわかることだ」
 批判と中傷、罵倒の違いをというのだ。
「そして批判を聞くことだ、批判を言う者の顔はまっすぐだが」
「中傷や罵倒ならですね」
「その顔は歪んでいますね」
「そうなっていますね」
「悪意によってな」
 カミュは真面目な顔で述べた。
「そうなっている、良言は耳に逆らうが」
「批判ならですね」
「自分でも思い当たるので」
「それで、ですね」
「中傷や罵倒は耳を汚し」
 そうしてというのだ。
「心もだ」
「汚しますね」
「そうしますね」
「だから聞いてもですね」
「留めないことですね」
「耳にも心にもな」
 こうしたことも言ってだった、カミュは仕事を続けていった。エウロパ首相としてのそれは激務であった。
 それは朝早くから夜遅くまで続いた、その中で息抜きもしたが首相官邸で家の者達にこんなことを言った。
「首相官邸にいてもな」
「くつろげない」
「旦那様はそう言われますね」
「ここは落ち着けないと」
「どうもな」
 こう家に代々仕えている者達に話した。
「家の屋敷でも別荘でもない、ホテルでもない」
「そうした場所で、ですね」
「どうも落ち着けない」
「ここはそうした場所ですね」
「私としてはな。やはり落ち着けるのは」
 それはというと。
「我が家の屋敷かだ」
「別荘ですね」
「カミュ家のそうした場所ですね」
「旦那様としては」
「そうだ、カミュ家の場所はな」
 そうした屋敷や別荘はというのだ。
「やはり親しんできただけあってな」
「落ち着けますね」
「それもゆっくりと」
「そうなりますね」
「そなた達がいてだ」
 代々仕えている彼等がというのだ。
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