第三十五話 母艦での会談その十五
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「ドクターマン様はな」
「これが人間味というものね」
ファラキャットは今度はマカロンを食べて言った。
「温かいものだけれど」
「これまで感じたことはなかった」
アクアイガーはしみじみとした口調で述べた。
「我々はな」
「そうだったわね」
「機械だからか」
それ故にというのだ。
「温りは不要と思いな」
「見ようとはしなかったわね」
「そうだったな」
「しかしだ」
メッツラーはチョコレートケーキを一口食べてから話した。
「いざ触れてみるとな」
「いいものね」
ファラキャットはメッツラーにも応えた。
「これは」
「そう思う」
メッツラーもまさにと応えた。
「皆で飲んで食うこともな」
「ええ、それも甘いものをね」
「ちょっとしたパーティーだが」
「いいものよ」
「全くだ」
「何かな」
ジュウオウはアップルパイを実に美味そうに食べつつ言った。
「おいら達前よりもいいよな」
「何もかもがね」
「ドクターマン様が変わられたのか?」
こうも言うのだった。
「それでな」
「私達もね」
「こうして快適に楽しくな」
「過ごす様になったのね」
「そうじゃないか?」
こうファラキャットに話した。
「おいら達もな」
「そうなるのね」
「そうだろうな」
メッサージュウはシュークリームを食べてから言った。
「ドクターマン様は確かに変わられた」
「貴方もそう思うのね」
「うむ、かつてはだ」
バイオマンと戦っていた頃はというのだ。
「とてもだ」
「こんなことしなかったわね」
「機械そのものとしてだ」
「動いていたわね」
「ただそれだけでだ」
そうであってというのだ。
「人間味なぞな」
「何処にもなかったわね」
「そうだった」
まさにというのだ。
「かつての我々もだ」
「ドクターマン様に人間味が宿られ」
サイゴーンも言った、紅茶を飲みつつ。
「我々にも与えて下された」
「こうして飲んで食べて」
ファラキャットはまた紅茶を飲んで話した。
「エネルギーに出来る様にしてくれて」
「味覚も備えてくれた」
サイゴーンはこのことも話した。
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