第八十七話 釈迦如来その五
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「先に進むことやで」
「そうすることやな」
「ここは試練の場所やから」
だからだというのだ。
「どんな神霊さんでも」
「憶することなくやな」
「戦って」
そうしてというのだ。
「勝って」
「乗り越えることやな」
「そう言うてもお釈迦さんと戦うと思うと」
綾乃はあらためて言った。
「うちとしても」
「緊張するな」
「どうしても。けどそこを何とか」
「憶することなくやな」
「戦いたいわ」
「そうしたいしな」
「そうせんとね」
そうでなければというのだ。
「あかんし」
「そうしてくな」
「うちにしても」
そうだというのだ。
「ここは」
「そやな、やっぱりな」
施は新野の話をここまで聞いて頷いて言った。
「掌から出て」
「乗り越えるね」
「そうするわ」
絶対にと言ってだった。
施は意を決した、そうした話をしながら先を進んでいき一行は神霊達との戦の前の宿屋での一泊に入ったが。
入浴で身体を清めた後お茶を飲んでだ、施は目を丸くして言った。
「甘茶を飲むとな」
「いつも驚くな」
中里はやや苦笑いで応えた。
「この甘さに」
「そやな、こんな甘いなんてな」
「飲みものでは他にあまりないな」
「それこそな」
施は甘茶とお菓子、日本の和菓子を食べつつ言った。
「カルピスよりもな」
「甘いな」
「甘さの質は違えどな」
「そうやな、カルピスもな」
中里は今は甘茶を飲みつつ応えた。
「確かにな」
「めっちゃ甘いな」
「あれをそのまま飲むなんてな」
それこそというのだ。
「絶対にや」
「無理やな」
「甘過ぎてな」
まさにその為にというのだ。
「無理や」
「そやな、そしてそのカルピスに負けん位や」
「甘茶は甘いな」
「ほんまな、しかしこのお茶も」
また甘茶を飲みつつ話した。
「お釈迦さんに縁があるな」
「そやねん、日本のお寺では飲む時もあって」
綾乃もそのあまりもの甘さにやや苦笑いになりつつ話した。
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