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神々の塔
第八十七話 釈迦如来その一

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                第八十七話  釈迦如来
 次に戦う神霊についてだ、綾乃はまずは息を飲んでから話した。
「お釈迦さんと戦うなんて」
「遂にやな」
「その時が来たって思うね」
「ああ、僕もな」
 中里は真摯な顔で答えた。
「実際にな」
「そう思うね」
「気が引き締まるっていうかな」
「身震いするね」
「戦うって思っただけでな」
「そやね、これまで皆ミカエルさんや老子さんと戦ってそう思ったらしいけど」
 綾乃は仲間達を見回して言った。
「今はね」
「僕等が思うな」
「お釈迦さんっていうたら」
「仏教を開いた方でな」
 そうであってというのだ。
「ほんまね」
「尊い方やな」
「それこそ天照大神さんみたいな」
 そこまでのというのだ。
「絶対のな」
「神霊さんや」
「これまで仏さんとも戦ってきたけど」
「あの方はな」
「ほんまにな」
「特別な存在や」
「そやからね」
 綾乃はだからだというのだ。
「ほんまね」
「今から緊張するな」
「中里君もやね」
「勿論や、あのタゴールもな」 
 彼もというのだ。
「お釈迦さんと戦う時はな」
「緊張しはったそうやね」
「ヒンズー教の三大神と戦う時も」
「そやったらしいからな」
「インドではお釈迦さんはヴィシュヌ神の化身の一つや」
 芥川はそうなっていることを話した。
「そやからな」
「タゴールも緊張したな」
「そや」
 まさにというのだ。
「あいつもな」
「あいつはかなり肝が据わってるが」
 それでもとだ、中里は言った。
「そのあいつでもか」
「ああ、流石にな」
「お釈迦さんと戦うにあたってはやな」
「緊張したってな」
 その様にというのだ。
「言うてたわ」
「そやってんな」
「それでな」
「僕等もやな」
「緊張するな」
「どうしてもな」
「いや、遂にこの時が来た」
 施も真剣な顔で言った。
「今回も思うわ」
「ああ、自分如意棒持ってるしな」
 羅がすぐに言ってきた。
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