第56話
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映った。
「”ヴェルヌグループ”の本拠地であり、”バーゼル理科大学”を擁する学術工業都市――――――中世の職人街もあり、美しい自然にも囲まれたこの地で現在”とある異変”が起きている。具体的には都市内の導力ネットと、工業用の”導力供給網”の不安定化…………さらには見慣れぬ者たちが市内に出没しているというな。」
「…………!」
「そ、それって…………」
キンケイドの話を聞いてすぐにアルマータを思い浮べたヴァン達がそれぞれ血相を変えている中アニエスは目を見開き、フェリは声を上げた。
「まだ”そう”と決まったわけではない――――――というより現時点で何もわからないんだ。ちなみに我が国と理科大学には昔から浅からぬ縁があるんだが…………その理事でもあるヴェルヌ社CEOに問い合わせても、返事が濁されていてね。」
「それは…………少々おかしいですね。たしかエルザイム公国はヴェルヌ社の大株主であるとも聞いたような。」
シェリド公太子の話を聞いたアニエスは真剣な表情で考え込みながら呟いた。
「ああ、筆頭ではないし、4年前の連合による侵略によってメンフィル帝国がヴェルヌの大株主の筆頭になったとはいえ、それなりの発言力はあるはずだ。にも拘わらず、タウゼントCEOは時間稼ぎのような曖昧な返事ばかりでね。おそらく”何か”を隠している――――――君達にはそれを見定めて欲しいんだ。」
「何か、ですか…………」
「…………ハン…………」
「…………随分と漠然とした話ですね。正直、技術的な問題に関しちゃ俺達は専門外ですよ?」
「ハッハッハ、謙遜はよしたまえ。マルドゥック社のSCを雇う君が。何でも画期的なサービスも運用し始めたそうじゃないか?」
ヴァンの忠告に対して軽く笑って流したシェリド公太子は真剣な表情でヴァンを見つめて指摘した。
「あ…………あのしみゅれーたっていう。」
「何分まだテスト段階なので…………いずれ一般公開させて頂きます。」
「ああ、期待させてもらうよ。ともあれ――――――民間人の被害が出ていない以上、多忙極めるギルドに頼んでも後回しだろう。それに相手の腹を探るケースでは彼らは警察並みに敬遠されがちだからね。」
「その点、俺達ならいざ問題が起きても”内々”で済ませることができる。…………一応念の為に確認させてもらいますが、南カルバード総督府には話を通しているのですか?南カルバード総督府のお膝元であるバーゼルにGIDとエルザイムの共同依頼を請けた俺達が出張となると、煌都やサルバッドの時と違い、さすがに南カルバード総督府―――――メンフィル帝国が黙っていないと思いますが。」
「無論、南カルバード総督府には話を通してあるから心配無用さ。」
「それと無理
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