第56話
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在しないはずの”十三区”にしてイーディスの”裏の顔”と呼ばれている。昔から場所を変えながら存続してきた、警察も基本立ち寄らねえ”無法地帯”…………”裏”の住民やら、勢力なんかが逃げ込んだり交流したりする”街区”だ。」
「…………十三区…………そんな場所が…………」
「そういえば前にお父さん(アブ)から…………」
「事前に把握しておりましたが、このような場所だったのですね。恐らくは都市計画から取り残された複数街区の地下に跨っている空間…………」
ヴァンの説明によって初めて知ったイーディスの”裏の顔”にアニエスが驚いている中フェリは心当たりがある様子を見せ、予め把握していたリゼットは興味ありげな様子で周囲を見回しながら分析していた。
「あの女に、迷路みてぇな地下道を延々と案内されて辿り着いたからな。違法品販売やら地下闘技場――――――なかなか痺れる場所みてぇじゃねえか?」
(アーロンにとっては相性が良すぎる場所だからこそ、ヴァンさんはアニエス達は当然としてアーロンにもできればこの場所の存在を教えたくなかったのでしょうねぇ。)
(ええ………日常茶飯事のように入り浸る姿が目に浮かぶわ…………)
「…………ま、来ちまったからには仕方ねえ。エレインがいたから絡まれなかっただろうがここじゃあ喧嘩や小競り合いは日常茶飯事だ。――――――それを含めての”作法”を教える。地上に戻る前に一通り回ってみるがくれぐれも気を抜くんじゃねえぞ…………?」
不敵な笑みを浮かべて周囲を見回しているアーロンの様子にユエファは苦笑し、マルティーナが疲れた表情で頭を抱えている中呆れた表情で溜息を吐いたヴァンは表情を引き締めてアニエス達に説明した後忠告した。
「!はいっ…………!」
「了解っ。」
「ハッ、望むところだっつーの。」
その後ヴァンは時折襲い掛かってくる半グレ達をアニエス達と共に撃退し、ヴァンは助手達に黒芒街についての注意点を説明しながら黒芒街を一回りして街を出た後行きとは異なるルートを通って地上に戻ると夕方になっていた。
〜リバーサイド地区〜
「もうこんな時間か…………結構かかっちまったな。」
「リバーサイド…………こんな所にも繋がってたなんて。なんだか夢でも見ていた気分です。」
「クク、さすがにお子ちゃまには刺激が強かったんじゃねーのか?つってもガキもいたな…………女猟兵の息子だったみてぇだが。」
歩きながら呆けている様子で呟いたフェリにアーロンは口元に笑みを浮かべてからかいの指摘をした後あることを思い出し
「はいっ、半グレとかはともかくわたしは嫌いじゃないですっ。紛争地帯の街にも似てて…………何より訓練にもなりますしっ!」
「
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